トップページ 特集 タブレット純&東京ベルサイユ宮殿 笑いと感動のムード歌謡ショー

歌謡曲リミテッド スペシャルインタビュー

タブレット純&東京ベルサイユ宮殿 
笑いと感動のムード歌謡ショー

取材・文/竹部吉晃 公開日:2019年2月23日

2月17日、東京・HIT STUDIO TOKYOでタブレット純のワンマンコンサートが行われた。

今回のバックを務めるのは歌謡グループ、ペーソスのメンバーを中心としたバンドの東京ベルサイユ宮殿。ギター、キーボード、ドラム、サックス&クラリネットの4人を従え、生音による贅沢なムード歌謡コンサートとなった。

超満員のファンで会場が埋まるなか、タブレット純は黒い背広にピンクの蝶ネクタイで登場。前半のステージは、「たぞがれの銀座」からスタートした。いつものように魅惑的な低音と美しいブラートでムード歌謡の世界を表現。HIT STUDIO TOKYOが東京駅に近いロケーションということもあり、続いての曲も東京ご当地ソングの「コモエスタ赤坂」を選曲し、昼開催にもかかわらず、すでにすっかり夜のクラブのムードとなり、店内は昭和30年代のような空気に包まれる。途中のMCで、芸人らしくお笑いを挟むものの、恩師である和田弘とのエピソードや感謝の気持ちを口にしたあとで、しっかりと「誰よりも君を愛す」を歌唱し、歌の巧さを存分に聴かせる。ハンドマイクでの歌唱のほかにもハーモニカとギターで「丘を越えて」を即興で弾き語るなど、芸達者なところも見せ、前半は「女のみち」「なみだの操」という昭和の歌謡史を飾る大ヒット曲で終了。

白いミリタリールックの衣装に身を包んだ後半は、植木等の「ハイそれまでヨ」からスタート。歌謡曲とコミックソングを高いレベルで融合させた曲は、まさにいまの彼の立ち位置を示しているようで興味深い。ひとりで白熱し、ステージ狭しと縦横無尽に走り回ると、衣装が乱れ、汗が飛び散るなど、本家顔負けの熱演となった。この編成で浅草演芸ホール「東洋館」でコンサートを開きたいと野望を語ったが、それも納得。続く2曲めに披露されたのは昨年11月にリリースしたシングル「夜のペルシャ猫」のカップリング曲でロス・プリモスのカバー曲の「あなたのためなのよ」。会場にはその作詞を手がけた作詞家の高畠じゅん子先生の姿もあり、尊敬する作家の前での歌唱となったが、同曲で歌われる微妙な女心を巧みに表現しており、カバーとは思えないほど悦に入った完成度であった。歌唱後、歌詞にちなみ、「自分にとってのムーチョとは?」についての談義もステージ上で交わすシーンも見受けられた。前半同様設けられた後半の東京ご当地ソングコーナーで選曲されたのは「東京音頭」。会場は一気に明るいムードに包まれ、季節外れの盆踊りと化した。

コンサートの終盤は、合いの手の掛け声が楽しい定番「星降る街角」をエモーショナルに熱唱し、かつそれぞれのメンバーとのやり取りで、会場をひとつにしたあと、原点であるマヒナスターズ「泣かないで」を優しい歌声でしっかりと聞かせ、本編が終了。鳴り止まない拍手とアンコールのなか、メンバーとともにTシャツに着替えて登場して披露したのはキングトーンズの「グッド・ナイト・ベイビー」。日本のポップス史に残るハッピー・サッドな名曲で、2時間にわたるコンサートの幕を閉じた。この日、キングトーンズ・内田正人の訃報が届き、はからずもこの演奏が追悼カバーとなってしまった。

ボーカル、バンドの演奏は一級であり、選曲も歌謡曲ファンのツボをついている。ときおり見せる素のトークやモノマネ芸とのギャップもファンからしたらたまらない魅力である。エンターテイナーとしての実力を改めて見せつけられたと同時に、歌謡曲の奥深さや幅広さを実感させるコンサートであった。

 

 

『東京レコード散歩』2017年2月22日発売。東京にちなんだ曲だけを収録したコンピレーション・アルバム『東京レコード散歩』第二弾がレコード会社3社から同時発売!

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