トップページ ラジオ 歌謡ラジオ「午前0時の歌謡祭」 第30回放送「特集:編曲家・萩田光雄の時代(後篇)」

第30回放送「特集:編曲家・萩田光雄の時代(後篇)」

第30回放送「特集:編曲家・萩田光雄の時代(後篇)」

<2018.6.24 OA>

オーガナイザー:濱口英樹(歌謡曲愛好家) 

第30回放送 特集:編曲家・萩田光雄の時代(後篇)

6月11日に新著『ヒット曲の料理人 編曲家・萩田光雄の時代』(リットーミュージック)を上梓された歌謡曲研究家の馬飼野元宏さんをゲストにお迎えしての第二夜。これまでに4000曲以上のアレンジを手がけ、45年にわたってポピュラー音楽界の第一線で活躍されてきた萩田光雄さんの膨大な作品群の中から、馬飼野さんとオーガナイザーがセレクトした12曲をお届けしました。前篇ではキャリア初期の70年代の作品が中心でしたが、今回は80年代以降の作品にスポットを当て、萩田アレンジの妙と魅力を馬飼野さんに語っていただきました。


01.「来夢来人」小柳ルミ子(1980)
作詞:岡田冨美子 作曲:筒美京平 編曲:萩田光雄
後篇はオーガナイザー濱口が大ファンである小柳ルミ子の30thシングルでスタート。歌手デビュー10年目にして初めて筒美京平が起用された本作は、ポリフォニックシンセを活用した和洋折衷のサウンドが特徴でオリコン22位のヒットを記録しました。筒美メロディの編曲を数多く手がけた萩田さんですが、この曲は中山美穂「C」(85年)と並んでお気に入りのアレンジだそうです。

BGM.「異邦人-シルクロードのテーマ-」久保田早紀(1979)
作詞・作曲:久保田早紀 編曲:萩田光雄
CMタイアップが決まったことで、原曲にはなかったシルクロードのイメージが増幅された「異邦人」ですが、その1年後にリリースされた3rdアルバム『サウダーデ』には、ポルトガルギターをフィーチャーしたファド風のバージョンが収録されています。今回はポルトガルで録音されたアルバムバージョンもご紹介し、シングルバージョンとの違いを聴き比べていただきました。

02.「異邦人(アルバムVer.)」久保田早紀(1980)
作詞・作曲:久保田早紀 編曲:萩田光雄
CMタイアップが決まったことで、原曲にはなかったシルクロードのイメージが増幅された「異邦人」ですが、その1年後にリリースされた3rdアルバム『サウダーデ』には、ポルトガルギターをフィーチャーしたファド風のバージョンが収録されています。今回はポルトガルで録音されたアルバムバージョンもご紹介し、シングルバージョンとの違いを聴き比べていただきました。

BGM.「待つわ」あみん(1982)
作詞・作曲:岡村孝子 編曲:萩田光雄
キャリア初期の「ひとりぼっちの部屋」(高木麻早/73年)以来、シンガーソングライターのデビュー曲を数多くヒットさせてきた萩田さんですが、82年5月に開催されたポプコンでグランプリを受賞した本作もその1つ。オリコン1位を6週連続で獲得し、「異邦人」「シクラメンのかほり」に次ぐミリオンセラーとなりました。イントロの印象的なギターフレーズは、萩田さんの高校時代の同級生でもある吉川忠英が弾いています。

03.「想い出がいっぱい」H2O(1983)
作詞:阿木燿子 作曲:宇崎竜童 編曲:萩田光雄
アニメ『みゆき』(フジテレビ系)の主題歌に起用された5thシングルでオリコン6位のヒットを記録。80年にデビューしたH2Oにとって初のビッグヒットとなりました。本作で彼らのディレクションを担当した川瀬泰雄氏は、山口百恵プロジェクトで萩田さんと密に仕事をしていた間柄で、このときはヒットを狙って編曲を依頼したといいます。

04. 「恋におちて-Fall in love-」小林明子(1985)
作詞:湯川れい子 作曲:小林明子 編曲:萩田光雄
連続ドラマ『金曜日の妻たちへIII・恋におちて』の主題歌に起用され、新人ながらオリコン1位のミリオンセラーとなりました。馬飼野さんは、萩田アレンジの特徴の一つとして「歌メロとは異なる印象的なイントロの構築」を挙げていますが、本作はイントロの一部に歌メロを使用した例外的なパターン。メロディの良さを活かしつつ、随所に細かい工夫を施すことで、耳に残る印象的な作品に仕上げていると指摘しています。

BGM.「ジェラス・トレイン」河合奈保子(1985)
作詞:売野雅勇 作曲:筒美京平 編曲:萩田光雄
オーガナイザー濱口がセレクトした本作はオリコン6位まで上昇した河合奈保子の20thシングル。EVEのコーラスが強烈なイントロに始まるディスコ歌謡の傑作で、河合奈保子の歌唱力がいかんなく発揮された楽曲といえましょう。TOP10ヒットを放った80年代アイドルのほとんどを手がけたことのある萩田さんは、河合プロジェクトでも筒美京平や林 哲司作品などのアレンジを担当しています。


05.「真珠のピリオド」岩崎宏美(1983)

作詞:松本 隆 作曲:筒美京平 編曲:萩田光雄
岩崎宏美プロジェクトでも、デビュー曲「二重唱」以来、数多くの編曲を手がけてきた萩田さんですが、特に筒美京平作品については「スローな愛がいいわ」(80年)や「未完の肖像」(84年)など、難曲のアレンジを担当されています。31stシングルの本作は、イントロ部のスキャット(♪シャバダバダ~)と、サビの追っかけ(♪ピ・リ・オ・ド~)は筒美氏の指定で、そこから曲想を膨らませていったといいます。コーラスは伊集加代子で、オリコン37位をマークしました。

BGM.「化石の荒野」しばたはつみ(1982)
作詞:阿久 悠 作曲・編曲:萩田光雄
萩田さんの作曲作品の中で、オーガナイザー濱口が最もお気に入りの本作は、西村寿行原作の同名映画の主題歌。しばたはつみにとって通算22作目のシングルですが、ヨーロッパ映画の主題歌にも通じる壮大なバラードで、オリコン55位まで上昇しました。馬飼野さんいわく「静かに始まり、徐々に楽器の数が増え、最後はドラマチックに盛り上げる」という萩田さんならではの手法が、本作でも堪能することができます。

06.「秋のIndication」南野陽子(1987)
作詞:許 瑛子 作曲・編曲:萩田光雄
萩田さんが「私にとってのアイデンティティで、個人的に一番楽しい仕事だった」と語るのが、2ndシングル以降、ほとんどのアレンジを手がけた南野陽子プロジェクト。9thシングルとしてリリースされた本作では作曲も担当し、(作曲家として)自身初のオリコン1位を獲得しました。打ち込み全盛の時代に、ゴージャスなオーケストレーションでエレガントなナンノワールドを構築する一方、サビのメロディが1回しか登場しない構成も本作の特徴といえるでしょう。

07.「トワイライト-夕暮れ便り-」中森明菜(1983)
作詞:来生えつこ 作曲:来生たかお 編曲:萩田光雄
新刊本『ヒット曲の料理人 編曲家・萩田光雄の時代』の編集者がベストアレンジ作品として挙げた中森明菜の5thシングルです。デビュー以来、エレキギターをフィーチャーしたツッパリ路線と、来生姉弟によるピアノベースの純情路線を交互に歌ってきた中森プロジェクトですが、萩田さんは双方で手腕を発揮。後者路線の第3弾となった本作でもドラマチックなバラードに仕上げ、オリコン2位のヒットとなりました。

08.「曼珠沙華」山口百恵(1978)
作詞:阿木燿子 作曲:宇崎竜童 編曲:萩田光雄
馬飼野さんがベストアレンジ作品として挙げた本作は、山口百恵の同名アルバムのタイトルチューン。翌79年には25thシングル「美・サイレント」のB面にも収録され、ファン以外にも知られる楽曲となりました。ギタリスト出身の萩田さんは本作で圧巻のギターサウンドを構築(ギタリストは矢島 賢)。フォークで始まり、サイケデリックロックで締めくくる大胆な構成は、タイトルに触発されてアイデアが降りてきたと述懐しています。

歌謡ラジオ「午前0時の歌謡祭」 TOPに戻る

歌謡ラジオ「午前0時の歌謡祭」 記事一覧

歌謡ラジオ「午前0時の歌謡祭」
記事一覧

ラジオ歌謡選抜

CDJournal

disk union 昭和歌謡館