トップページ ラジオ 歌謡ラジオ「午前0時の歌謡祭」 第35回放送「音楽プロデューサー・東元 晃特集(前篇)」

第35回放送「音楽プロデューサー・東元 晃特集(前篇)」

第35回放送「音楽プロデューサー・東元 晃特集(前篇)」

<2018.11.18 OA>

オーガナイザー:濱口英樹(歌謡曲愛好家) 

11月は数々の名曲・ヒット曲を送り出してきた音楽プロデューサーの東元 晃さんをゲストにお迎えし、これまでに手がけられたアーティストや作品に関するお話を伺いました。
音楽業界では「トーゲンさん」の愛称で慕われている東元さんは音楽出版社などを経て、日本コロムビアに入社。ディレクターとして、弘田三枝子、ヒデとロザンナ、ジュディ・オングらを担当し、72年にはちあきなおみ「喝采」で日本レコード大賞を受賞されます。75年にはビクター音楽産業(当時)に移籍し、インビテーションレーベルを創設。制作部長兼プロデューサーとして、サザンオールスターズ、髙橋真梨子、阿川泰子らを手がけます。86年にはテイチクに移籍し、社長に就任。現在はフリーの音楽プロデューサーとして活躍されています。
50年以上にわたって音楽業界の発展に貢献されてきた東元さんは、オーガナイザー濱口の新著『ヒットソングを創った男たち 歌謡曲黄金時代の仕掛人』(シンコーミュージック・エンタテイメント)でもヒットプロデューサーの1人としてロングインタビューに応じてくださいましたが、今回のゲスト出演はその取材がご縁となって実現しました。


01.「渚のうわさ」弘田三枝子(1967)
作詞:橋本 淳 作曲・編曲:筒美京平
当時“演歌帝国”だったコロムビアが、ポップス強化のためにスタートさせたP盤シリーズの第1号シングル。ポップス部門の責任者に抜擢された東元さんは専属作家ではない、新しい感性を持ったフリーの作家の起用を考え、のちにゴールデンコンビと呼ばれる橋本 淳と筒美京平に白羽の矢を立てたといいます。本作は稀代のヒットメーカー・筒美京平の初ヒット作であり、弘田三枝子にとっても紅白歌合戦カムバックを果たすメモリアルな作品となりました。

02.「雨の夜あなたは帰る」島 和彦(1966)
作詞:吉岡 治 作曲・編曲:船村 徹
若手ディレクター時代、東元さんはすでに巨匠の域に達していた船村 徹にプレゼンを行ない、新人・島 和彦の売り出しへの協力を取り付けることに成功します。吉岡・船村コンビによるデビュー曲「悦楽のブルース」(65年)は大島 渚監督の映画『悦楽』の主題歌となりましたが、“悦楽”が退廃的であるとの理由で放送禁止に。そのリベンジを果たすべく制作された本作は、島に紅白初出場をもたらすヒット曲となりました。レキントギターの音色が印象的なラテンテイストのナンバーです。

03.「たそがれの赤い月」ジュディ・オング(1967)
作詞:白鳥朝詠 作曲:市川昭介 編曲:河村利夫
66年に「星と恋したい」でデビューしたジュディ・オングは、コロムビア在籍時代に19枚のシングルを発表していますが、東元さんは4thシングルの本作からディレクションを担当。もともと親交のあった市川昭介に「大人への旅立ちを前にした不安と希望を歌い上げる、映像感覚を採り入れた作品を」と依頼し、哀愁を帯びたエレキの音色が印象的な楽曲を完成させます。本作はジュディにとって、コロムビア時代最大のヒットを記録しました。

04. 「愛の奇跡」ヒデとロザンナ(1968)
作詞:中村小太郎 作曲:田辺信一 編曲:中川 昌
弘田三枝子と一緒に立ち寄ったライブハウスでたまたま歌っていたヒデ(出門 英)と知り合った東元さんはその歌声とキャラクターに惹かれ、コロムビアからデビューさせることを決意。GSブームが収束に向かいつつあった当時、ソロよりもデュエットで売り出した方がいいだろうとの考えで、ヒデが見つけてきたロザンナと組ませることにしたといいます。ヒデのバンド仲間によって制作された本作は、オリコン6位まで上昇し、空前の男女デュオブームを巻き起こしました。

05.「愛は傷つきやすく」ヒデとロザンナ(1970)
作詞:橋本 淳 作曲:中村泰士 編曲:森岡賢一郎
“ヒデロザ”最大のヒット曲となった5thシングル。彼らにとっても、東元さんにとっても、初のオリコン1位を5週にわたって獲得し、初出場した紅白歌合戦でも歌唱される代表曲となりました。ちなみに紅白の歴史の中で、男女デュオの出場は彼らとトワ・エ・モワ(同じ年に「空よ」で出場)が初、外国人の出場はロザンナ(イタリア国籍/当時)が初めてでした。

BGM.「風が落した涙」小川ローザ(1969)
作詞:中村小太郎 作曲:田辺信一 編曲:中川 昌
丸善石油(現コスモ石油)のCMで「Oh!モーレツ」のフレーズとともに一世を風靡した小川ローザのデビュー曲にして唯一のシングルです。ファッションモデルとして活躍していた小川はCMでのブレイクによってマスコミからオファーが殺到。どう対応すべきかとの相談を受けた東元さんは、レコードを出すことを提案したといいます。ヒデとロザンナ「愛の奇跡」と同じ作家陣で制作された本作は、オリコン23位をマークするスマッシュヒットとなりました。

06.「夜の柳ヶ瀬」カサノヴァ7(1969)
作詞・作曲:柴田 博 編曲:ブルーノ・ダラポッサ、ロレート・ルチェッティ
イタリア人男性5人と日本人女性2人で構成された7人組バンド「カサノヴァ7(セッテ)」のデビュー曲。東元さんは、ヒデとロザンナのキャンペーンで岐阜に行ったとき、地元の有線放送の関係者から本作のデモテープを預かりますが、カンツォーネを得意とする彼らに日本語で歌わせたことが評判を呼び、オリコン25位のロングセラーとなりました。編曲も手がけているメンバーのブルーノ・ダラポッサはロザンナの叔父で、さらにキャシー中島も在籍していた知る人ぞ知るグループです。

07.「喝采」ちあきなおみ(1972)
作詞:吉田 旺 作曲:中村泰士 編曲:高田 弘
ちあきなおみ最大のセールスを記録した13thシングル。オリコンでは「女のみち」(宮 史郎とぴんからトリオ)に阻まれ、12週連続2位にとどまりましたが、72年の日本レコード大賞を受賞する、歌謡史に残る名曲となりました。本作から担当ディレクターになった東元さんは、彼女の歌唱力を生かすにはリアル感のある作品がいいと考え、作家陣と徹底邸な議論を重ねたうえで「喝采」を作り上げたといいます。9月10日発売というタイミングながら3ヶ月半後にビッグタイトルを手にしたのは、その情熱とちあきの類まれな歌唱力が結実したものといえるでしょう。

08.「夜間飛行(Live Version)」ちあきなおみ(1974)
作詞:吉田 旺 作曲:中村泰士 編曲:宮川 泰
「喝采」の大成功により、歌い手のリアリティを重んじた路線は「劇場」「夜間飛行」と続きました。世間では「ドラマチック歌謡」とも言われていますが、当の東元さんは三部作を意識したわけではなく、本作は年末の羽田空港でひとり旅と思しき女性を目撃したことがモチーフになっていると明かしてくれました。15thシングルとして73年6月にリリースされた「夜間飛行」はオリコン15位のヒットを記録。今回は74年10月に中野サンプラザで収録されたライブ音源をお届けしました。

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