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第35回放送「音楽プロデューサー・東元 晃特集(後篇)」

第35回放送「音楽プロデューサー・東元 晃特集(後篇)」

<2018.11.25 OA>

オーガナイザー:濱口英樹(歌謡曲愛好家) 

1963年に日本コロムビアに入社して以来、数々の名曲・ヒット曲を送り出してきた音楽プロデューサー・東元 晃さんをゲストにお迎えしての第二夜。前篇ではコロムビア時代に担当された楽曲をお届けしましたが、後篇ではビクターおよびテイチク時代にプロデュースされたアーティストや作品に関するお話を伺いました。
75年、ビクターに移籍した東元さんはかねてより構想していた、アルバムを主体とした制作体制を構築するべく、インビテーション・レーベルを創設。その主宰者として、主にニューミュージック系のアーティストをプロデュースしていきます。当時の所属アーティストは、日暮し、サーフライダーズ、BOW WOW、サザンオールスターズ、松田優作、伊東ゆかり、髙橋真梨子、アナーキー、阿川泰子、石黒ケイなど多彩な顔ぶれ。
そして86年、テイチクの社長に就任すると、BEGIN、PERSONZなどを輩出したロックレーベルのBAIDISを立ち上げるなど、社業の発展に尽くされました。現在はフリーの音楽プロデューサーとして多忙な毎日を送る東元さんは、オーガナイザー・濱口の新著『ヒットソングを創った男たち 歌謡曲黄金時代の仕掛人』(シンコーミュージック・エンタテイメント)でもヒットプロデューサーの1人として、貴重なエピソードを聞かせてくださっています。


01.「勝手にシンドバッド」サザンオールスターズ(1978)
作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:斉藤ノブ、サザンオールスターズ
77年にインビテーション・レーベルを立ち上げた東元さんは新人の発掘に力を入れますが、その中で最も大きな成功を収めたのがサザンオールスターズでした。同年開催されたヤマハ主催のバンドコンテスト“EastWest”に出場した彼らはビクターと契約し、78年6月に本作でデビュー。オリコン最高3位の大ヒットとなりますが、東元さんはデモテープの段階で「デビュー曲はこの曲だ」と決めていたといいます。彼らの1stアルバム『熱い胸さわぎ』はデビューからわずか2ヶ月後のリリースでしたが、オリコン16位をマークしています。

BGM.「いとしのエリ―」(1979)
作詞・作曲:桑田佳祐 編曲:サザンオールスターズ
デビュー当時はコミックバンド的な見方もされたサザンオールスターズですが、3rdシングルで本格的なバラードをリリース。本作がオリコン2位の大ヒットを記録したことで、バンドとしての評価を高めていきます。79年4月には早くも2ndアルバム『10ナンバーズ・からっと』をリリース。LPとカセットを合わせて60万枚以上のヒットとなりました。

02.「あなたの空を翔びたい」髙橋真梨子(1978)
作詞・作曲:尾崎亜美 編曲:萩田光雄
ペドロ&カプリシャスの2代目ボーカリストとして「ジョニィへの伝言」(73年)でプロデビューした髙橋真梨子ですが、78年にインビテーション・レーベルからソロデビューを果たします。その第1弾シングルが本作でした。当時、ペドロ&カプリシャスはRCAと契約していましたが、知人を通じて「髙橋真梨子がソロ活動を考えている」との情報を得た東元さんはビクターで契約することに成功。時代にマッチした女性ならではの世界を構築していきたいとの考えから、ソングライターとしても実績のあった尾崎亜美をキャスティングしたといいます。

03.「Skindo-Le-Le」阿川泰子(1981)
作詞・作曲:Claudio Amaral Pereira Silva、Jay Anthony Wagner 編曲:松岡直也
文学座の女優であった阿川泰子は無類のジャズファンだったこともあり、78年にアルバム『Yasuko“Love-Bird”』をビクターよりリリース。5thアルバム『サングロウ』がオリコン最高6位、40万枚以上のヒットを記録し「ネクタイ族のアイドル」としてブレイクします。その『サングロウ』に収録された本作は、サンフランシスコ出身のブラジリアン・フュージョンバンド Viva Brasilの同名アルバム(80年)に収録された曲のカバーで、アレンジはフュージョン界の第一人者・松岡直也が担当しています。

04. 「それぞれのテーブル」ちあきなおみ(1981)
訳詞:真咲美岐 作曲:Alice Donabel 編曲:後藤次利
78年に俳優の郷 鍈治と結婚し、しばらく女優として活動していたちあきなおみですが、81年にビクターのインビテーション・レーベルと契約。以後、4年間で4枚のアルバムをリリースします。本作はシャンソンに挑戦した第1弾アルバムに収録されたタイトルチューン。仏歌手・ダリダのアルバム『夜は女の匂い』(76年)に収録された曲の日本語カバーで、訳詞は宝塚出身の女優・真咲美岐(82年に他界)が手がけています。

05.「霧笛(難船)」ちあきなおみ(1983)
日本語詞:吉田 旺 作曲:Alain Oulman 編曲:倉田信雄
インビテーション・レーベル時代のちあきなおみは、年1枚ペースでアルバムを発表。第1弾がシャンソン、第2弾がスタンダードジャズ、第3弾がファド、第4弾が昭和の流行歌のカバーでした。本作は第3弾アルバム『待夢』に収録されたナンバーで、“ファドの女王”アマリア・ロドリゲスの歌唱で知られる「難船」の日本語カバー。本家・アマリアも『待夢』の存在を知っていて、日本公演を行なった際、楽屋を訪ねたちあきを大歓迎したという逸話があります。

06.「冬隣」ちあきなおみ(1988)
作詞:吉田 旺 作曲:杉本眞人 編曲:倉田信雄
東元さんに絶大な信頼を寄せるちあきなおみは、86年に東元さんがテイチクの社長に就任すると、後を追うようにテイチクに移籍。本作はテイチクにおける第1弾アルバム『伝わりますか』に収録されたエレジーで、若くして逝った恋人を想う女性の心情を切々と歌い上げています。今回は季節的にぴったりであることと、オーガナイザーのお気に入り曲であることからセレクトしました。

07.「紅とんぼ」ちあきなおみ(1988)
作詞:吉田 旺 作曲:船村 徹 編曲:南郷達也
テイチク在籍時代にシングルとしてリリースされた本作はオリコン46位のヒットを記録。11年ぶりに出場した88年の紅白歌合戦でも歌唱されました。数年間、役者として活動したときの経験が生かされているような、独り芝居を思わせる表現力に魅了されますが、数々の名曲を残し、2017年に他界した巨匠・船村 徹もちあきの歌声には全幅の信頼を寄せていたといいます。

08.「朝日のあたる家(Live Version)」ちあきなおみ(2003)
訳詞:浅川マキ 作曲:不詳 編曲:篠崎秀樹
伝説のライブパフォーマンスとして語り継がれている本作は、ボブ・ディランやアニマルズなどのカバーで知られるアメリカのフォークソング。ファンからの熱烈な要望を受けて2003年にリリースされたコンサート形式のアルバム『VIRTUAL CONCERT 2003 朝日のあたる家』に初収録されました。東元さんいわく、ちあきなおみの歌はジャンルを超えたちあきなおみの歌。この曲はその本領を発揮した代表作の1つといえるでしょう。

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