トップページ ラジオ 歌謡ラジオ「午前0時の歌謡祭」 第40回放送「特集:作詞家・及川眠子(後篇)」

第40回放送「特集:作詞家・及川眠子(後篇)」

第40回放送「特集:作詞家・及川眠子(後篇)」

オーガナイザー:濱口英樹(歌謡曲愛好家) 

平成最後の『0時歌謡』は“最後の職業作詞家”とも言われる及川眠子さんをゲストにお迎えしました。その称号にふさわしく、アイドルポップス、アダルト歌謡、アニソン、ミュージカル、CMソングなど、ジャンルを問わない活躍ぶりで、昭和末期から平成にかけて、あまたのヒットを生み出してきた及川さんは昨年(2018年)、初の自選CD『ネコイズム~及川眠子作品集』(2枚組30曲収録)をリリース。その後は『ネコの手も貸したい~及川眠子流作詞術』(リットーミュージック)と『誰かが私をきらいでも』(KKベストセラーズ)を相次いで出版するなど、エッセイの分野でも活躍されています。現在は作曲家の中崎英也氏と共同で、“新宿二丁目発の本格DIVAユニット”八方不美人をプロデュース。さらに、今夏上演のブロードウェイミュージカル『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』では音楽歌詞を担当するなど、多忙な日々を送られています。
後篇では作詞を手がけた作品に関するエピソードに加え、リスナーの方から寄せられた「生き方に関する相談」についてもご意見を伺いました。

『誰かが私をきらいでも』

『ネコの手も貸したい~及川眠子流作詞術』

『ネコイズム~及川眠子作品集』


01.「残酷な天使のテーゼ」高橋洋子(1995)
作詞:及川眠子 作曲:佐藤英俊 編曲:大森俊之
テレビ東京系アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』のオープニングテーマとして制作された11thシングル。95年10月に2形態でリリースされ、オリコン最高17位ながら、併せて60万枚を超えるセールスを記録しました。以来24年、カラオケの定番曲となった本作は、2010年にJASRAC(日本音楽著作権協会)における著作権使用料分配額で1位になるなど、今では日本を代表するスタンダードソングになっています。プロデューサーから「哲学的な難しい詞にしてくれ」と言われた及川さんは、萩尾望都の漫画『残酷な神が支配する』に着想を得てタイトルをつけたそうです。

BGM.「魂のルフラン」高橋洋子(1997)
作詞:及川眠子 作曲・編曲:大森俊之
劇場版アニメ『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 シト新生』の主題歌に起用された14thシングル。映画公開前の発売だったにも関わらず、オリコン初登場3位をマークし、「残酷な天使のテーゼ」に次ぐ大ヒットを記録しました。テレビ版の1話分だけビデオを渡され「これを観て感じたことを書いてください」と依頼された及川さんは、その内容から“輪廻”(=ルフラン)を感じ取り、そこから本作を書き上げたといいます。

02.「サヨナラ志願」ゆうゆ(1988)
作詞:及川眠子 作曲:小森田 実 編曲:米光 亮
おニャン子クラブ・会員番号19番で、うしろゆびさされ組のメンバーとしても人気を集めた岩井由紀子の6thシングル。20歳を迎えて初めてリリースされた本作は、前作「左胸あたり」に続く失恋ソングで、オリコン最高29位を記録しました。及川さんは、ゆうゆの担当プロデューサーだった吉田就彦氏(チェッカーズ等も担当)に才能を見込まれ、2ndシングル「-3℃」なども提供しています。

03.「ちょっと痛い関係」中嶋美智代(1993)
作詞:及川眠子 作曲・編曲:後藤次利
フジテレビが主催・運営していたアイドル養成プロジェクト“乙女塾”の3期生として人気を博した中嶋美智代の9thシングル。及川さんは平成初期、Winkをはじめ、CoCo、早坂好恵など、多くの女性アイドルに詞を提供していますが、途中から担当する場合は従来のイメージを壊すことを期待されていました。前作「恥ずかしい夢」から参加したミッチープロジェクトでは「モヤモヤさせて」という発注を受けて、タイトルで驚かせようとしたといいます。

BGM.「マツケンでGO!」松平 健(1991)
作詞:及川眠子 作曲:宮川彬良 編曲:桑田 衛
キャリア初期に大地真央のアルバム『ラ・ドゥリオン』の全作詞を手がけた及川さんは、その後も約15年にわたって彼女のステージの仕事を担当しますが、その縁で、当時、大地の夫だった松平 健にも詞を提供しています。本作は後年の「マツケンサンバ」に通じる陽気なダンスチューンで、もともとは自身の歌謡ショーで歌っていたもの。2004年に「マツケンサンバⅡ」のカップリング曲としてCD化され、オリコン3位をマークしました。

04. 「PGF」少年隊(1995)
作詞:及川眠子 作曲:井上ヨシマサ 編曲:岩崎文紀
20thシングル「Oh!!」のカップリング曲で、オリコン最高10位。作曲を手がけた井上ヨシマサが、デモテープに「PGF」というでたらめな英語を乗せて歌っていたことから、そのままタイトルに採用し、「Positive Girl Friend」の頭文字にしたといいます。及川さんは19thシングル「EXCUSE」(93年)の作詞も担当していますが、当時20代後半だった彼らに「優しいだけの男じゃない」イメージの詞を書いたそうです。

05.「原始、女は太陽だった」中森明菜(1995)
作詞:及川眠子 作曲:MASAKI 編曲:岩崎文紀
女性解放運動の旗手として知られる平塚らいてうの言葉「元始、女性は太陽であった」を彷彿とさせる31stシングル。ラテン系のサウンドに情熱的なボーカルが乗ったサマーチューンで、オリコン15位まで上昇するヒットとなりました。及川さんは中森明菜を「唯一無二の表現力を持った歌手。心に血が滲むような痛みや体が粉々になるほどの悲しみ、そしてただ一筋の光に向かって必死でもがく姿を、歌で表現できるのは彼女だけ」と評しています。

BGM.「愛なんてジャンク!」八方不美人(2018)
作詞:及川眠子 作曲・編曲:中崎英也
及川さんが中崎英也さんと組んでプロデュースしている“新宿二丁目発、本格的DIVAユニット”八方不美人(エスムラルダ、ドリアン・ロロブリジーダ、ちあきホイみ)の1stミニアルバムのタイトルチューン。恋愛の真理を突いた、及川さんならではの情念系の歌詞が聴きどころです。カップリングにはメンバーそれぞれのソロ曲が収録されています。

06.「流砂の恋」ドリアン・ロロブリジーダ(2018)
作詞:及川眠子 作曲・編曲:中崎英也
ドラァグクイーン3人による八方不美人の1stミニアルバム『愛なんてジャンク!』に収録された、ドリアン・ロロブリジーダのソロ楽曲です。及川さんいわく、ドリアンは華と毒を併せ持つ人で、3人姉妹の次女的なキャラクター。ユニークな芸名は本人が敬愛するイタリアの女優、ジーナ・ロロブリジーダに由来しています。今回はソロ楽曲の中で一番派手な本作をご紹介しました。

07.「十年経てば」木島ユタカ(2017)
作詞:及川眠子 作曲:スコットランド民謡 編曲:bears session
様々なジャンルの楽曲を津軽三味線で弾き語る三味線シンガー・木島ユタカの1stシングル。5歳から民謡を歌い始めた木島は、透明で艶のある歌声でどんなジャンルの作品も歌いこなす実力派で、2017年の日本有線大賞では有線奨励賞を受賞しています。及川さんは独身の木島に対し、「10年経っても歌える歌を」との想いで、あえて娘に向けた父親の気持ちを綴った、職業作詞家ならではの詞を提供しました。

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