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第43回放送 特集:「わが父、阿久 悠」

第43回放送 特集:「わが父、阿久 悠」

<2019.7.21OA>

オーガナイザー:濱口英樹(歌謡曲愛好家) 

7月は、8月1日に13回忌を迎える作詞家・阿久悠の世界をお届けしました。ゲストはご子息の深田太郎さん。当番組では、阿久氏が「没後10年、作詞活動50年、生誕80年」を迎えた2017年に3ヶ月連続で「阿久 悠特集」を実施しましたが、その時以来、2度目のご登場です。オーガナイザー濱口と同い年の深田さんは7月3日に、初のエッセイ本『「歌だけが残る」と、あなたは言った―わが父、阿久悠』(河出書房新社)を上梓。12歳でロックに目覚め、20代でロックバンド、ジェンダ・ベンダのベーシストとしてメジャーデビューを果たし、その後は作曲家として親子共作も実現した息子の目から見た「阿久 悠」を、蔵出しエピソード満載で綴っています。
現在は株式会社阿久悠の取締役として、阿久氏の未発表詞の楽曲化プロジェクトに取り組まれている深田さん。8月21日には、ミュージカル女優としても活躍中の実力派シンガー・田村芽実さんの3rdシングル「舞台」のカップリング曲「花のささやき」(作詞:阿久悠、作曲:深田太郎)がリリースされるなど、作曲活動も行なっています。番組には楽曲の提供を受けた田村さんから、深田さんへの感謝や、阿久作品への想いを語ったコメントが寄せられました。


01.「気絶するほど悩ましい」Char(1977)
作詞:阿久 悠 作曲:梅垣達志 編曲:佐藤 準
ロック少年だった深田さんにとって、天才ギタリスト・Charは今に至るまで憧れのヒーロー。阿久氏が初めて詞を提供した本作は2ndシングルとして発売され、オリコン12位をマークするChar最大のヒット曲となりました。2017年に東京国際フォーラム・ホールAで2日にわたって開催された「阿久悠リスペクトコンサート」に出演したCharはMCで阿久氏と出会った時の想い出を語ったあと、本作や「闘牛士」(初日)、「逆光線」(2日目)を披露。深田さんの新著にはその時の感激も記されています。

BGM.「孤独の叫び(Inside Looking Out)」ザ・モップス(1968)
作詞・作曲:Traditional 編曲:Eric Burdon、Charles Chandler
作詞家・阿久 悠の本格デビュー作にあたる「朝まで待てない」(67年)で世に出たザ・モップスは、深田さんが最初に好きになったロックバンド。彼らの1stアルバム『サイケデリック・サウンド・イン・ジャパン』に収録された本作は66年にアニマルズがヒットさせた「Inside Looking Out」のカバーで、当時3歳だった深田少年は母親がかけるレコードに合わせて歌っていたそうです。

02.「ブーメランストリート」西城秀樹(1977)
作詞:阿久 悠 作曲:三木たかし 編曲:萩田光雄
小学生時代はジュリーとヒデキのカッコよさに惹かれていたという深田さん。洋楽のトレンドをいち早く採り入れ、ロックの伝道師的な役割を果たした2人は70年代後半、ともに阿久作品でヒットを連発し、ビッグスターの座を確立しました。西城にとって20枚目のシングルにあたる本作は、フィラデルフィア・ソウルを意識したゴージャスなサウンドでオリコン6位まで上昇。前サビのリフレインも強烈な印象を残しました。

03.「愛は心のフルコース」SHOTGUN(1979)
作詞:阿久 悠 作曲:筒美京平 編曲:後藤次利
77年、NHKの音楽番組『ヤング・ミュージック・ショー』で、キッスの武道館公演の映像を見たことがきっかけでロックにのめり込んだ深田さんは、当時、洋楽の貴重な情報源だった『ぎんざNOW!』(TBS系)を観て、Charやレイジーなど、日本のロックミュージシャンにも出会うことになります。78年に「蒼ざめた夜」でデビューしたSHOTGUNも『ぎんざNOW!』でその存在を知り、応援していたため、父親が作詞を手がけたことが嬉しかったといいます。連続ドラマ『熱愛一家・LOVE』(TBS系)の主題歌に起用された本作は2ndシングルで、オリコン74位を記録しました。

BGM.「GIVE UP」宮前ユキ(1978)
作詞:阿久 悠 作曲:大野克夫 編曲:船山基紀
倉本 聰が脚本を手がけたジョージ秋山原作の連続ドラマ『浮浪雲』(テレビ朝日系)の主題歌。歌う宮前はカントリー&ウエスタン出身の実力派で、本作ではファンキーなディスコサウンドに乗せてソウルフルなボーカルを聴かせます。深田さんの新著では78年の夏、父親と2人で富良野にある倉本邸を訪れた時の意外なエピソードが綴られています。

04. 「花蕾」美空ひばり(1988)
作詞:阿久 悠 作曲:𠮷田 正 編曲:京 建輔
自身が定めた「作詞家憲法15ヶ条」の第1条で「美空ひばりによって完成したと思われる流行歌の本道と、違う道はないであろうか」と記していた阿久氏は、同じ年に生まれた“歌謡界の女王”に対し、畏敬の念を抱いていました。その美空ひばりが88年に発表したアルバム『不死鳥』に収められた本作は、阿久氏が他界した翌年(2008年)にシングル化されています。番組では本作のレコーディング後、帰宅した阿久氏が「感無量だ」と漏らしたエピソードが深田さんから明かされました。

05.「BBちゃん雲にのる」本田美奈子.(1994)
作詞:阿久 悠 作曲:深田太郎 編曲:鈴木 豪
92年にロックバンド、ジェンダ・ベンダのベーシスト兼作曲担当としてデビューした深田さんは、2枚のアルバムで親子共作の楽曲を4曲リリース。バンド解散後の94年には、本田美奈子.のアルバム『JUNCTION』に収録された2曲で「作詞:阿久 悠、作曲:深田太郎」の親子タッグを実現しています。そのうちの1曲である本作はチャールストンのリズムに乗せた軽快なポップスで、BB(ブリジット・バルドー)を演じた本田のコケティッシュなボーカルが光ります。

06.「カガミよカガミ」田村芽実(2019)
作詞:阿久 悠 作曲:深田太郎 編曲:鶴崎輝一
本田美奈子.と同じ事務所に所属する田村は小学生時代よりミュージカルの舞台に立ち、2011年、ハロー!プロジェクトのスマイレージ(2014年に“アンジュルム”に改名)に加入。“めいめい”の愛称と、卓越した歌唱力で人気を集め、2016年にアンジュルムを卒業した後は「ミュージカル女優」と「シンガー」の二刀流ディーヴァとして注目されています。1stミニアルバム『Sprout』に収録された本作は、もともと本田美奈子.のために制作された作品でしたが、25年の時を経て、本田を敬愛する田村によって世に出ることになりました。

BGM.「横浜から」山崎ハコ(2018)
作詞:阿久 悠 作曲:山崎ハコ 編曲:安田裕美
阿久氏が「没後10年、作詞活動50年、生誕80年」を迎えた2017年より、未発表詞にメロディを乗せて楽曲化する“AQプロジェクト”が本格化していますが、本作もその1つ。以前からコンサートで阿久作品の「ざんげの値打ちもない」(70年/オリジナル歌唱:北原ミレイ)をカバーしていた山崎ハコがリリースした8曲入りアルバム『横浜から 阿久悠未発表作品集』に収録された寂寥感溢れるナンバーです。

07.「狼の詩」新しい学校のリーダーズ(2018)
作詞:阿久 悠 作曲:H ZETT M
セーラー服姿でのパフォーマンスで注目されているダンス&ボーカルユニットが歌う本作は、昨年8月に3rdシングルとして発売され、今年3月にリリースされたアルバム『若気ガイタル』にも収録されているナンバー。阿久氏ならではのメッセージ性の強い詞に、アンダーグラウンドな匂いを漂わせるパフォーマンスが融合し、独自の世界観を構築しています。

08.「UFO(2010年Ver.)」ピンク・レディー(2010)
作詞:阿久 悠 作曲・編曲:都倉俊一
深田さんの新著『「歌だけが残る」と、あなたは言った―わが父、阿久悠』のタイトル通り、阿久氏の作品は没後12年を経ても色褪せることなく、歌い継がれています。77年に発売され、ピンク・レディー最大のヒットを記録した本作も、著作権使用料分配額が多い楽曲に対して与えられるJASRAC賞で、2018年に銅賞、2019年に銀賞を受賞するなど、発売から42年を経ても愛され続けています。今回は2010年にリリースされたニューボーカルアルバム『INNOVATION』に収録されたバージョンをお届けしました。

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