トップページ ラジオ 歌謡ラジオ「午前0時の歌謡祭」 第44回放送 特集「小んなうた 亞んなうた 作曲家・小林亜星特集(前篇)」

第44回放送 特集「小んなうた 亞んなうた 作曲家・小林亜星特集(前篇)」

第44回放送 特集「小んなうた 亞んなうた 作曲家・小林亜星特集(前篇)」

<2019.8.18OA>

オーガナイザー:濱口英樹(歌謡曲愛好家) 

8月は日本コロムビアから4ジャンルの作品集『小んなうた 亞んなうた~小林亜星 楽曲全集』が同時リリースされたばかりの国民的作曲家・小林亜星さんをゲストにお迎えし、これまでに手がけた数々の楽曲にまつわるお話を伺いました。
1932年、東京生まれの小林さんは幼少の頃からジャズに親しみ、大学卒業後、製紙会社勤務を経て、作曲家の服部 正さんに師事。61年、レナウンのCMソング「ワンサカ娘」で注目され、その後も「レナウン/イエ・イエ」「ライオン/ブルー・ダイヤ」「積水ハウス」「カメラのさくらや」「クラシアン」「ファミリーマート」など、ヒットCMを連発します。その一方でドラマ音楽、歌謡曲、アニメや特撮のテーマソングも数多く作曲し、72年には「ピンポンパン体操」で日本レコード大賞の童謡賞、76年には都はるみ「北の宿から」でレコード大賞を受賞。74年に始まったTBS系ドラマ『寺内貫太郎一家』では主役に抜擢され、以後、俳優やタレントとしても活躍するなど、作曲家にとどまらない才能を多方面で発揮されています。
前篇では4ジャンルの作品集の中から《コマーシャルソング編》と《歌謡曲編》に収録された楽曲をお届けしました。


01.「ワンサカ娘’64」弘田三枝子、フォー・コインズ(1964)
作詞・作曲・編曲:小林亜星
レナウン宣伝部に勤務していた妹の推薦がきっかけで、小林さんは同社のCMソングを担当。その第1号が61年に放送を開始した本作でした。当初はかまやつひろしが歌っていましたが、その後は弘田三枝子やシルヴィ・ヴァルタンなど様々な歌手が歌唱。2000年には各バージョンを収録したコンピCDがリリースされました。最近ではレナウン提供のラジオ番組『東京ポッド許可局』(TBS系)で、マキタスポーツ、プチ鹿島、サンキュータツオの3人によるバージョンが流れています。

BGM.「アラビヤの唄」二村定一、天野喜久代(1928)
訳詞・編曲:堀内敬三 作詞・作曲:Fred Fisher
ジャンルを超えて様々な名曲を生み出してきた巨匠・小林亜星の原点ともいうべき1曲。日本ジャズ界の草分け的存在である二村定一が米国の曲を日本語でカバーし、昭和初期に大ヒットさせました。訳詞と編曲は音楽評論家としても名高い堀内敬三。7歳の頃、親戚が経営するカフェで、本作のSP盤を繰り返し聴いた小林さんは、日本で初めてのジャズの旋律に心を奪われたといいます。

02.「どこまでも行こう」山崎 唯(1966)
作詞・作曲・編曲:小林亜星
漫画家の横山隆一が「タイヤくん」のデザインを手がけたブリヂストンのCMソング。当時、絶大な人気を誇っていたイタリアの人形劇のキャラクター“トッポ・ジージョ”の吹き替えを担当していた山崎 唯が歌い、音楽の教科書に掲載されるほど親しまれました。その後も長きにわたって放送され、現在は同社の東京五輪・パラリンピックの企業CMに使用されています。

03.「人間みな兄弟」サイラス・モズレー(1968)
作詞・作曲・編曲:小林亜星
サントリーのウイスキー“オールド”のCMソング。曲のタイトル(94年『夜がくる』に改題)にもなった“人間みな兄弟”はサントリー宣伝部OBの開高 健によるキャッチコピーで、当時、上智大学の教授だったゴスペル歌手、サイラス・モズレーが歌唱しています。その後も様々なアレンジでオールドのCMに使用されていますが、複数のバージョンを収めたコンピCD『人間みな兄弟~夜がくる』が2000年にリリースされました。

04. 「酒は大関こころいき」いしだあゆみ(1981)
作詞・作曲:小林亜星 編曲:川口 真
長年にわたって使用されている大関酒造のCMソング。オリジナルは加藤登紀子バージョンで、70年の放送開始時は田宮二郎と磯野洋子が出演していましたが、2009年に稲垣吾郎・河野由佳によるリメイク版が放送され話題を呼びました。今回は『小んなうた 亞んなうた《コマーシャルソング編》』のボーナストラックとして初音盤化された、いしだあゆみの歌唱バージョンをお届けしました。

05.「ハッピーじゃないか」笠井紀美子、デューク・エイセス(1971)
作詞:阿久 悠 作曲:小林亜星 編曲:川口 真
71年に世界初の新商品として発売された日清食品・カップヌードルの初代CMソング。実力派ジャズシンガーの笠井紀美子が歌って注目されましたが、小林さんは画期的商品の登場感を演出するため、あえてCMとは縁遠い歌手を起用しました。作詞を手がけた阿久 悠とは「ピンポンパン体操」(71年)や「北の宿から」(75年)など、あまたのヒットを放ちますが、CMでは本作が初タッグ。日清食品提供のバラエティ番組『ヤングおー!おー!』(毎日放送/東京では東京12チャンネル)のテーマソングにも起用され、広く浸透しました。

06.「明治チェルシーの唄」シモンズ(1971)
作詞:安井かずみ 作曲・編曲:小林亜星
CMソングでは歌い手やスタッフのキャスティング等で、プロデューサー的な役割を果たしていた小林さん。本作ではハーモニーの美しさからフォークデュオのシモンズを起用したといいます。その後もガロ、ペドロ&カプリシャス、南 沙織、サーカス、八神純子、ハイ・ファイ・セットなど、実力派によって歌い継がれ、2005年には各バージョンを収録したコンピCDがリリースされました。「あなたにも、チェルシー、あげたい」のナレーションが耳に残っている人も多いのではないでしょうか。

07.「日立の樹(この木なんの木)」ヒデ夕樹、朝コータロー、シンガーズ・スリー(1973)
作詞:伊藤アキラ 作曲・編曲:小林亜星
現在もオンエアされている日立グループの企業CMソング。66年から日立が単独提供していたドキュメンタリー番組『すばらしい世界旅行』(日本テレビ系)が、日立グループ25社による提供に変わるにあたり制作されました。これまでに9バージョンが放送されていますが、初代CMは、コーラスグループ、ザ・タドポールズのメンバーだったヒデ夕樹と朝コータローが担当。歴代CMは日立の公式サイトで視聴することができます。

BGM.「ピーコック・ベイビー」大原麗子(1968)
作詞:東大路千弘 作曲・編曲:小林亜星
CM音楽やアニソン、劇伴などで活躍を始めた小林さんは60年代後半より、歌謡曲(流行歌)の世界にも進出。加藤登紀子に提供した「赤い風船」(66年/作詞:水木かおる)は彼女に日本レコード大賞の新人賞をもたらすヒットを記録しました。当時21歳だった大原麗子のデビュー曲としてリリースされた本作は“1人GS”ともいうべきエレキサウンドに彩られたコケティッシュなナンバーです。

08.「昭和放浪記」水前寺清子(1972)
作詞:阿久 悠 作曲:小林亜星 編曲:小杉仁三
当時、主演ドラマ『ありがとう』(TBS系)が最高視聴率56.9%(72年12月)を記録するなど、女優としても大活躍していた水前寺清子に提供した本作は、小林さんにとって初の本格的演歌。それまでの彼女が得意としていた男歌や人生の応援歌とは一転、劇画調の湿った作風で評判となりますが、オリコン最高66位と伸び悩み、阿久は後年「あまり売れなかったが、なぜか愛しい歌」と述懐しています。小林さんにとって、初めて紅白歌合戦で歌唱された楽曲です。

BGM.「地平を駈ける獅子を見た」松崎しげる(1979)
作詞:阿久 悠 作曲:小林亜星 編曲:高田 弘
78年に設立された西武ライオンズの球団歌。ヒットメーカーコンビの小林亜星・阿久 悠に加え、勇壮な楽曲を歌い上げるにふさわしい松崎しげるが起用され、いち球団の歌でありながら、オリコン63位をマークしました。89年にシングルCD、2017年に新録盤の「地平を駈ける獅子を見た(40thバージョン)」が制作されるなど、発売から40年を経ても愛され続けています。

09.「リンゴがひとつ」小林亜星、いけだももこ(1974)
作詞:阿久 悠 作曲:小林亜星 編曲:渋谷 毅
小林さん主演の連続ドラマ『寺内貫太郎一家』(TBS系)の挿入歌。第1シリーズ(74年1月~10月)の後期、出演者全員で歌うのがお決まりでした。小林さんは、自身を主役に抜擢した番組プロデューサーの久世光彦からの要請で本作を作曲。ほのぼのとした童謡風の曲調が幅広い層に浸透し、オリコン34位のヒットを記録しました。

10.「野に咲く花のように」ダ・カーポ(1983)
作詞:杉山政美 作曲:小林亜星 編曲:武市昌久
フジテレビ系『花王名人劇場』(のち『花王ファミリースペシャル』)枠で放送された芦屋雁之助主演の人情ドラマ『裸の大将放浪記』(80~97年)の主題歌。小林さんは第4話(81年1月)で、主人公・山下 清のそっくりさん役でゲスト出演をしています。フォーク調の叙情的なメロディと爽やかなハーモニーが印象的な本作は、当初「淋しさは夕立ちのように」のB面に収録。その後、音楽の教科書にも掲載されるほどのスタンダードソングとなり、2005年にはCDシングルとして再発されました。

11.「北の宿から」都はるみ(1975)
作詞:阿久 悠 作曲:小林亜星 編曲:竹村次郎
当時、大きなヒットから遠ざかっていた都はるみのスタッフから詞の発注を受けた阿久は、パートナーに小林さんを指名。“うなり節”を聴かせる従来の路線とは一線を画す本作はオリコン1位を通算4週獲得するミリオンヒットとなり、見事その期待に応えました。76年の音楽祭では、日本レコード大賞、日本歌謡大賞など、6つのグランプリを獲得しています。

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