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第48回放送「特集:リメンバー!50年目の日本歌謡大賞」

第48回放送「特集:リメンバー!50年目の日本歌謡大賞」

<2019.11.17 OA>

オーガナイザー:濱口英樹(歌謡曲愛好家) 

近年は『ベストヒット歌謡祭』『ベストアーティスト』(日本テレビ系)を皮切りに、『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)、『ミュージックステーション スーパーライブ』(テレビ朝日系)など、長尺の大型歌番組が年末の恒例行事となっていますが、昭和の歌謡界は“賞レース”という言葉が生まれるほど、音楽賞の授賞番組が花ざかりでした。その先駆けは日本作曲家協会の主催で1959年にスタートした『日本レコード大賞』(TBS系)。同番組が大晦日に開催されるようになった69年に30.9%の高視聴率を記録すると、TBS以外の民放各社(日本テレビ、フジテレビ、NET/現テレビ朝日、東京12チャンネル/現テレビ東京、ニッポン放送、文化放送、ラジオ関東/現ラジオ日本)は「放送音楽プロデューサー連盟」を結成し、各局合同の『日本歌謡大賞』を70年に開始します。
その歌謡大賞は毎年11月に開催。創設4年目の73年に47.4%、74年に45.3%・・・と、レコ大に匹敵する視聴率を獲得したことで、各局が独自の音楽賞を立ち上げるに至ります。70年代後半には、レコ大、歌謡大賞に加え、『FNS歌謡祭』(フジテレビ系/74年~)『日本テレビ音楽祭』(日本テレビ系/75年~)、『あなたが選ぶ全日本歌謡音楽祭』(テレビ朝日系/75年~)が乱立。さらに『全日本有線放送大賞』(日本テレビ系/68年~)や『日本有線大賞』(68年スタート/75年からTBS系で放送開始)、ラジオ局主催の音楽祭もあったため、毎週のようにどこかの局で音楽賞が授与されている状態でした。
音楽ジャンルの多様化による歌謡曲の衰退に伴い、90年代に入ると急速に姿を消していく賞番組ですが、レコ大と並ぶ権威を持った歌謡大賞も93年を最後に終了。昭和天皇の容体悪化に配慮して開催を自粛した88年を除く、計23回の歴史に幕を下ろします。今回は歌謡大賞のグランプリだけでなく、放送音楽新人賞など、各賞を受賞した作品の中から、オーガナイザー濱口が「歌謡大賞ならでは」と認めた曲をご紹介いたしました。


01.「圭子の夢は夜ひらく」藤 圭子(1970)
作詞:石坂まさを 作曲:曽根幸明 編曲:原田良一
70年11月に開催された第1回日本歌謡大賞でグランプリを獲得した「演歌の星を背負った宿命の少女」(デビュー時のキャッチフレーズ)の3rdシングル。前年9月に「新宿の女」でデビューした藤はこの年、シングルチャートでは2nd「女のブルース」と本作で18週連続、アルバムでは1st『新宿の女/“演歌の星”藤圭子のすべて』と2nd『女のブルース』で37週連続の1位を獲得するなど、大ブレイクを果たします。オリコン年間3位をマークした本作は、初出場を決めた紅白歌合戦でも歌唱されるなど、70年を代表するヒット曲となりましたが、レコード大賞では大衆賞にとどまりました。

BGM.「瀬戸の花嫁」小柳ルミ子(1972)
作詞:山上路夫 作曲:平尾昌晃 編曲:森岡賢一郎
前年にデビュー曲「わたしの城下町」で放送音楽新人賞(レコード大賞における最優秀新人賞)を受賞した小柳ルミ子の4thシングル。オリコン最高1位、年間では2位の大ヒットを記録し(ちなみに年間1位は宮史郎とぴんからトリオ「女のみち」)、デビュー2年目で第3回日本歌謡大賞のグランプリを獲得しました。4月に発売され、老若男女に親しまれた本作はレコ大でも本命と見られていましたが、結果は歌唱賞。大賞は9月発売のちあきなおみ「喝采」に授与され、史上最大の逆転劇となりました。


02.「危険なふたり」沢田研二(1973)

作詞:安井かずみ 作曲:加瀬邦彦 編曲:東海林 修
71年にソロ活動を開始した沢田研二の6thシングル。年上の女性への恋心を「ダイアナ」風のロックンロールに乗せて歌い、ソロ名義初のオリコン1位を獲得しました(年間5位)。早川タケジが衣装やアートワークを担当するようになった本作以降、ジュリーはビジュアル面でも注目されるようになり、73年の第4回日本歌謡大賞では「純白のスーツ、真珠のネックレス、白のロングファー」という出で立ちで登場。圧倒的なスター性でグランプリを受賞しますが、レコ大は10月に発売された五木ひろしの「夜空」が獲得し、ジュリーは大衆賞にとどまりました。

03.「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」西城秀樹(1979)
日本語詞:あまがいりゅうじ 作曲:Jacques Morali 編曲:前田憲男(シングルの編曲は大谷和夫)
オリコンで5週連続1位、年間7位をマークし、第10回日本歌謡大賞を受賞した28thシングル。ヴィレッジ・ピープルのアルバム『Cruisin’』(78年)からリカットされたディスコチューンの日本語カバーで、「Y」「M」「C」「A」を表現する振り付けとともに一大ブームを巻き起こしました。今回は同じ79年に後楽園球場で開催された『BIG GAME ’79 HIDEKI』のライブ音源をセレクト。ファンの皆さんの熱気やステージの臨場感を味わっていただきました。なおレコ大は「外国人作家による楽曲」を対象外としていたため、ジュディ・オング「魅せられて」が受賞しています。

BGM.「さらば・・夏」田原俊彦(1983)
作詞・作曲:宮下 智 編曲:船山基紀
作詞:岩谷時子 作曲:Paul Anka、Bobby Goldsboro 編曲:飛澤宏元
ポール・アンカからの楽曲提供が話題を呼んだ15thシングル。オールディーズ調の哀愁路線でオリコン1位を獲得し(年間35位)、デビュー4年目でジャニーズ事務所に初の日本歌謡大賞をもたらしました。本作は外国人作家による楽曲のため、レコ大では「ピエロ」でノミネートされた田原は金賞を受賞。大賞は歌謡大賞で放送音楽プロデューサー連盟賞を受賞した細川たかしの「矢切の渡し」が獲得しています。

04. 「サウスポー」ピンク・レディー(1978)
作詞:阿久 悠 作曲:都倉俊一 編曲:前田憲男(シングルの編曲は都倉俊一)
数ある音楽祭の中で最も権威のあったレコ大と歌謡大賞を同じ年に授与されることが歌手にとって最大の栄誉だった70~80年代、ダブル受賞を果たした歌手は11組いますが、その中で受賞曲の異なるケースが3回ありました。その最初の例が78年のピンク・レディーで、歌謡大賞はオリコン年間2位の本作で、レコ大は年間1位の「UFO」で獲得。対抗馬と目された沢田研二や山口百恵を抑え、名実ともに歌謡界の頂点に立ちます。今回は同年12月に日本武道館で開催されたコンサートの音源(ライブアルバム『LIVE IN武道館』収録)をお楽しみいただきました。

05.「Fin」中森明菜(1986)
作詞:松本一起 作曲:佐藤 健 編曲:佐藤 準
レコ大と歌謡大賞で受賞曲が異なるケースの2例目は86年の中森明菜です。この年、リリースした全作品をチャート1位に送り込んだ彼女は、前年に続いてアーティストセールス(シングル+LP+カセット+CD)の1位をマーク。松田聖子が休業する中、2月発売の「DESIRE」でレコ大、日本テレビ音楽祭、FNS歌謡祭を、9月発売の本作で歌謡大賞と全日本歌謡音楽祭のグランプリを獲得するなど、無双の女王として5冠を達成しています。

06.「泣いてみりゃいいじゃん」近藤真彦(1987)
作詞:康 珍化 作曲:筒美京平 編曲:馬飼野康二
レコ大と歌謡大賞で受賞曲が異なるケースの3例目は87年の近藤真彦です。この年、有力視されていた中森明菜「難破船」や五木ひろし「追憶」に競り勝ったマッチは『メガロポリス歌謡祭』(テレビ東京主催)を含めた史上初の6冠を達成。1月発売の「愚か者」でレコ大、FNS歌謡祭、全日本歌謡音楽祭を、6月発売の「さすらい」で日本テレビ音楽祭とメガロポリス歌謡祭を、9月発売の本作で85年の「大将」に続く2度目の歌謡大賞グランプリを獲得しています。

BGM.「硝子坂」高田みづえ(1977)
作詞:島 武実 作曲:宇崎竜童 編曲:馬飼野康二
楽曲の独創性、芸術性、大衆性を審査基準とするレコ大と異なり、放送音楽への貢献度を重視する歌謡大賞はレコ大よりもノミネート枠が多く、様々な歌手が出演する点も魅力でした。新人賞に関しては、レコ大が5組の中から最優秀新人賞を1組選出するのに対し、歌謡大賞は7組から2組の放送音楽新人賞(83年以降は「優秀放送音楽新人賞」に改称)を選出。多くの年で男女が分け合う形となりましたが、77年はオリコン9位をマークした本作と、オリコン1位を獲得した清水健太郎「失恋レストラン」が受賞しました。なおレコ大では清水健太郎が最優秀新人賞を獲得しています。

07.「唇のプライバシー」河合奈保子(1984)
作詞:売野雅勇 作曲:筒美京平 編曲:鷺巣詩郎
歌謡大賞は82年まで、12~13組の中から大賞候補となる6~7組の放送音楽賞を選出していましたが、83年以降は13組から放送音楽プロデューサー連盟賞を2組、最優秀放送音楽賞を1組、大賞を1組の計4組を選出する方式に変更。80年にデビューした河合奈保子は、歌謡大賞では大きな賞に縁がありませんでしたが、18thシングルにあたる本作で、84年の放送音楽プロデューサー連盟賞を受賞しました。なお同年のグランプリは五木ひろし「長良川艶歌」が獲得しています。

08.「ブルー」渡辺真知子(1978)
作詞・作曲:渡辺真知子 編曲:船山基紀
歌謡大賞が開催されていた70~93年の24年間で、レコ大の最優秀新人賞、歌謡大賞の放送音楽新人賞(83年以降は優秀放送音楽新人賞)、紅白歌合戦初出場の“3冠”を達成した新人歌手は9組。そのうち3番組で歌唱曲が異なるケースは渡辺真知子だけでした。デビューした年に3曲以上のヒットを出すことが条件となりますが、彼女は歌謡大賞では本作を、レコ大では「かもめが翔んだ日」を、紅白では「迷い道」を披露し、唯一無二の記録を打ち立てたのです。

《イントロクイズ解答》

 

 

 

 

「心のこり」細川たかし

 

 

 

 

「ルビーの指環」寺尾 聰

 

 

 

 

「100%・・・SOかもね!」シブがき隊

 

 

 

 

「仮面舞踏会」少年隊

 

 

 

 

「‐Dreaming Girl‐恋・はじめまして」岡田有希子

<Informationコーナー>
11月20日発売 アン・ルイス『GREATEST HITS WITH THROWBACK CLIPS』
アン・ルイスが初めて監修・選曲し、好評を博したベスト&カバーアルバム『ANN LEWIS GREATEST HITS WITH COVERS』(2018年10月発売)に続く第2弾ベスト。今回も本人の選曲・監修で、『クイズ・ドレミファドン!』(フジテレビ系)や『アタック!真理ちゃん』(TBS系)における歌唱映像や『A・A・OH! LIVE ANN LEWIS w/PINX』のライブ映像など、10曲の懐かしい(英語:スロウバック)映像とその楽曲をCD+DVDに収めています。解説は姉妹番組『ラジオ歌謡選抜』のパーソナリティを務めるアーカイヴァーの鈴木啓之さん。ジャンルを超えた音楽性と類まれなファッションセンスで時代を席巻したアン・ルイスの魅力を「観て、聴いて、読んで」味わえる音楽ファン待望の好企画です。

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