トップページ コラム/レビュー 岡ななみの歌謡曲ア・ゴー・ゴー 岡ななみの歌謡曲ア・ゴー・ゴー⑪赤いスイートピー/松田聖子

岡ななみの歌謡曲ア・ゴー・ゴー⑪赤いスイートピー/松田聖子

岡ななみの歌謡曲ア・ゴー・ゴー⑪
赤いスイートピー/松田聖子

文/岡ななみ 


1982年発売
松田聖子さん

「赤いスイートピー」

作詞・松本隆さん
作曲・呉田軽穂さん
編曲・松任谷正隆さん

言わずと知れた名曲ですね。
今更「赤いスイートピー」!?という気もするのですが、ここ最近この曲がどうしても引っかかってしまうので一度書き記したく思います。

私が初めてこの曲をしっかり聞いたのは、80年代アイドルを聴き漁ってた高校生の頃。

自称“ネバーランド”の住人で、とにかく夢見がちな女の子だった当時の私には、なんてかわいらしい曲なんだろう!とトキメキが止まりませんでした。
ピュアな純愛で、この曲に出てくる彼のような奥手な男の子と恋したい!と夢見ていたものです。

それからもずっと好きな曲に変わりはなかったのですが、最近引っかかるフレーズに気がついて…。
私も四半世紀を生きてきて心が汚れてしまったのか…!

“ なぜ知りあった日から 半年すぎても
あなたって 手も握らない ”

この一文ですよ。

知りあった日から、というのは、付き合ってから半年のような感覚で聞いていたけども、ただ知りあった日からというだけでいつ付き合ったかにより、ピュア加減が変わってくるぞ!?と。

そこで改めて詞を熟読してみると、そもそもこれは付き合ってる二人なのか!?と。
女の子の心情しか描かれておらず、男の子の気持ちが全くわからない。

“ 連れて行ってよ ”
“ ついてゆきたい ”
“ あなたと同じ青春 走ってゆきたいの ”
“ このまま帰れない 帰れない ”

と、女の子側の意思だけなの。
男の子は時計をチラッと見るし。

中高生ならまだしも、タバコ吸ってるから成人男性であることは明らかなのに、付き合ってる大人の男女でこれほどまでに純愛なんて、ありえるのだろうか?と疑いの眼差し。

たとえば男の子はまだ好意を持っていなくて、女の子が好き好き好きと突っ走ってる状況だとしたら、男の子は気の毒なレベルじゃないか?と心配になったのです。好きでもない異性からぐいぐい来られても怖いだけでしょうからね…。

男の子の気持ち、置いてけぼりになっていない???
いやいや、そんなことは無いはずです。無いと思いたいです。

一般的な男の子は大概下心を持っていて、自分のことを明らかに好きな女の子がいたらこのままお持ち帰りできるか…?なんて考えそうなところ、この男の子はものすごく純情なのでしょう。良い子なのでしょう。今の感覚では信じられないくらいに(当時もそうかな?)、清らかで美しい心の持ち主なのでしょう。

“ 春色の汽車に乗って 海に連れて行ってよ ”

優しい優しい彼は、海に連れて行ってくれるのでしょう。
2番では駅のベンチに座ってますからね。

ちゃんとリクエストに応えてくれてるということは、男の子もこの女の子が好きなはず。やっぱり両想いのかわいいカップルだよね、うん。そう思いたい。
心が通じ合って半年だとしたら、手くらい握りなさいよ!と思ってしまうおせっかいおばさんな私(笑)。

あ、待って。

この男の子を20歳くらいの浜田光夫さんで想像すると、ドン引きレベルでかわいい!
出たよ、浜田光夫(笑)。

煙草、純情というキーワードで、映画『草を刈る娘』の浜田光夫さんで想像してしまうのですが、どうでしょう?
アリですね。いつまで経っても手も握らない男の子、アリアリですね。
むしろ、昭和でも平成でも次の元号に突入しても、男性にはこのくらい慎重でいてほしいです。

岡ななみ「浜田光夫 研究室」
http://hamadamitsuo.web.fc2.com/movie/m_kusawokarumusume.html

欲望に突っ走らないで。
プラトニックな愛を大切にして。
もちろん女の子も。焦らないで。

“ 生き方が好き ” と内面を信用できる人を見極めて。

珍しくメッセージ性が強くなったところで終わりましょう、と思ったら。
改めて「赤いスイートピー」のことを考えるにあたり、歌詞をよく読もうと検索かけたら、続編があることを知りました…。今更…。

こちらも少し私なりに考えてみますね。


1988年発売

「続・赤いスイートピー」
アルバム「Citron」収録

作詞・松本隆さん
作曲・ Steve Kipnerさん、Linda Thompsonさん、David Fosterさん
編曲・David Fosterさん

線路の脇のつぼみだった赤いスイートピーは、
今は色あせた押し花となり…。
二人でいた海辺の駅のベンチに今は一人…。
なんて切ないんだ!別れてしまっている!

今は別の人と結婚して幸せに暮らしている男性。
“ 優しいあなたには優しい人がいい ”と
冷静に分析出来ている女性。
気持ちを整理して冷静な分析にまで至った、時の流れを感じる。

“ もしもわがままを言わずに生きれば運命は違ったの? ”

難しい問題ですね。
女の子側の「好き」のスピードが速くて、男の子のペースを追い越してしまったのではないだろうか。
速度が違うと、お互いを想う気持ちは同じでもズレが生じてしまい、そのズレを解消し再び同じ速度で愛を育むのは至難の業。
女の子は男の子が好きな余り、どんどん突っ走って自分の気持ちを押し付けてしまったんじゃないかな。

だから私は心配したんだよぉ!(感情移入が抑えられない!)
男の子の気持ち、置いてけぼりになってない?と!
若さゆえの純粋さ、若さゆえの真っ直ぐさ…。
そしてある程度の経験を積み、振り返るほろ苦さよ…。

読み手自身の年齢によって見えてくる側面があったり、一筋縄ではいかない松本隆さんの世界…深い!広い!おもしろい!

いちいち引っ掛かってなんやかんや考える私は面倒な奴かもしれませんが、それが楽しいんですよね。

岡ななみの歌謡曲ア・ゴー・ゴー 記事一覧

岡ななみの歌謡曲ア・ゴー・ゴー 記事一覧

プロフィール

__

岡 ななみ

北海道出身。24歳。B型。
昭和を愛する平成生まれ。
販売員をしながら歌謡曲の研究に勤しむ。
得意技は勝手な深読み。
Twitter始めました!
https://twitter.com/okananami773
浜田光夫ファンサイト「浜田光夫研究室」もよろしくお願いします!
http://hamadamitsuo.web.fc2.com/

ラジオ歌謡選抜

CDJournal

disk union 昭和歌謡館