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「気になる17才」のあいざき進也、デビュー40周年を語る

歌謡曲リミテッド スペシャルインタビュー

「気になる17才」のあいざき進也、デビュー40周年を語る

取材・文/鈴木啓之 公開日:2013.03.28

華奢な体と甘い歌声で、新・御三家に続く70年代男性アイドルの雄として人気を博したあいざき進也。デビュー40周年の記念イヤーに突入した今年、初のBOX全集がリリースされた。10枚に亘るCDには、1974年に「気になる17才」でデビューしてから5年間のワーナーにおける全音源を収録。129曲中108曲が初CD化という快挙である。さらに付属のプレミアムDVDには、奇跡的に発掘されたデビュー前の秘蔵 オーディション番組優勝映像のほか、様々なテレビ出演歌唱映像が収められている。ここにBOXリリース記念のスペシャルインタビューをお届けする。

--『あなたならOK!』という番組がデビューのきっかけになられたと伺っています。

あいざき:そうです。僕がオーディションで受かったのは1973年の夏のチャンピオン大会と思うんですよ。その時はまだ高校2年生で、デビューはもうちょっと先になる筈だったんですよね。本当は僕の前に沢田研二さん風の方がデビューする予定だったんです。ところがその方が喉を痛められたとかで、僕のデビューが繰り上がったんです。だから急遽東京に来いと呼び出された感じでした。

--翌年(=74年)の1月にはもうデビューされていますね

あいざき:73年10月の末に上京しました。自分の誕生日が10月26日なので、忘れもしない27日でしたね。慌しく堀越学園に転入したり、レコーディングも11月になってすぐ。74年が明けるともうレコードが出てましたから、自分でもよくわからないままにいろんな事が目まぐるしく進んでいったことを憶えています。全国キャンペーンもやりました。初めて舞台に立ったのはまだレコードが出る前、伊丹幸雄さんのクリスマス・コンサートに出していただいたのが最初だったと思います。

--幼い頃から歌手を目指されていたそうですが、目標とされる様な方はいらっしゃいましたか

あいざき:同じ渡辺プロの先輩としてはやはり布施明さんが好きでしたし、オーディションでは野口五郎さんの歌を歌いました。「オレンジの雨」ですとか。同じ岐阜出身というのもありましたし、ああいう歌い上げていくようなドラマティックな歌謡ポップスが好きだったですね。

--「気になる17才」で初めてレコーディングに臨まれた時はいかがでしたか

あいざき:目黒の大鳥神社のそばにあった毛利スタジオ(後のメディアスタジオ)でレコーディングしたのを憶えています。これが穂口(雄右)先生の作家としてのデビュー作になるんだと思います。先生のお宅でレッスンしていただいたりしました。スタジオには安井かずみ先生もいらっしゃって。たしか最初は詞の候補がふたつあったような憶えがあります。もうひとつ違うタイトルが用意されていたと記憶しています。「気になる17才」は歌詞の中には17才というフレーズは出てこないんですけれども、僕も当時17才でしたし、そんなイメージで付けられたタイトルだったんでしょうね。

--初めてデビュー盤を手にした時の気持ちは

あいざき:それはもうとにかく嬉しかったですよ。渡辺プロは当時有楽町にあったんですけど、その特約店が近くにあって、大きな看板を出してくれたんですよ。それを見た時は感動しましたね。レコードは寮で何回も聴いて、自分のオリジナルを持つという喜び、期待と不安が入り混じった気持ちでした。けど喜びの方が大きかったですよね。

--デビューから3作は穂口先生の曲が続きましたが

あいざき:2曲目の「シンデレラは6月生まれ」もデビュー曲のイメージが踏襲されていますね。穂口先生のリズミカルなメロディーは簡単そうですが、いざ歌うと難しいんです。まだ右も左も判らず、歌うのが精一杯だった頃ですから、与えられたものをこなすのに必死でした。ディレクターの細井さんやプロデューサーの木崎さんに、ファンの人は何千回と聴くものだから、あまり色をつけずに歌いなさいということを言われていました。それはいまだに同じで、僕ら歌い手の永遠のテーマだと思います。うまく歌いたいという煩悩というか欲があるもので、それをいかに抑えられるかというところが大事。それは後に寺内タケシさんの下で勉強させていただいた時にも言われたことでした。「あいざき、歌は語れ、語りは歌え」という教えでしたね。そうは解っていても、実際にお客さんの前に出ると抑制がきかないこともあるんですが。

--その後も、すぎやまこういちさんや平尾昌晃さん、井上大輔さんら、錚々たる先生方が曲を書かれていますね

あいざき:今改めて見てもびっくりしますね。すぎやま先生からは、当時出演していた明治製菓のチョコレートのCMソングで「愛の誕生日」という曲をいただきました。先生の曲では、最初のアルバムでザ・タイガースの「花の首飾り」をカバーしていたり。平尾先生の最初は「想い出のバイオリン」でしたが、山上路夫先生の詞とともに叙情的でとても美しい。両先生の作品では小柳ルミ子さんの「瀬戸の花嫁」がありますが、これも情緒ある曲です。森岡賢一郎先生のアレンジも素晴らしかった。僕はどちらかというとバラードの方が得意なんですよ。井上先生の「恋のリクエスト」はデビュー曲と並ぶ、僕の代表作とでもいうべき曲です。キャッチーなメロディーが歌っていて心地よい。今でも同窓会コンサートなどでは必ず歌わせてもらっています。最初の頃は中性的な感じで可愛らしく歌えと言われて大変だったんですが、それがすっかり身についてしまった感じでした。それぞれに想い出があります。

--デビューの年には既にバックバンドも結成されましたね

あいざき:そうなんですよ。非常に恵まれてまして。ワイルド・ワンズにいらした渡辺茂樹さんがリーダーで。もともとは伊丹幸雄さんのバンドだった「RRC」のメンバーが中心となって、全国20何ヶ所のツアーを一緒に廻りました。1年目はビート・オブ・パワーとして、2年目からはMMP(ミュージック・メイツ・プレイヤーズ)になって、後にはキャンディーズのバックバンドになるんですれども、最終的にはスペクトラムになるという。

--すごいですよね。コンサートでは洋楽を歌われる機会も多かったかと

あいざき:それはやはり、バンドを取りまとめていた渡辺茂樹さんと、当時のマネージャーだった大里洋吉さん(後のアミューズ代表)の意向だったと思います。ちょっとファンの方がついて来られなくなる位の時代の先取りをし過ぎたかもしれませんね。レコーディングもそうでしたが、コンサートで歌詞を覚えるのが特に大変でした。それまで洋楽は殆ど歌ったことがなかったですし。忘れられないのは、スケジュールも混み合ってきた頃に、来週からツアーが始まるという時に歌詞が覚えられなくて、MMPのギターの人が付きっきりで教えてくれたんですよ。スティービー・ワンダーの「悪夢」という曲でした。東京プリンスの一室にカンヅメになって。大里さんの下にいた森さんっていうマネージャーがスパルタで、「覚えるまで出てくるな」って言って鍵を閉められちゃうんです。それでようやく覚えさせられました。僕の場合はアクロバットもやってましたから、本当にいっぱいいっぱいでしたね。

--他にもキング・クリムゾンのカバーなど、正に時代の先取りだったと思います。バンドのテクニックも含め、それだけ音楽への意識レベルの高いチームだった証拠ですね

あいざき:大変でしたけど、コンサートは僕にとっての一番の喜びでもありました。お客さんの生の反応もありますし。テレビの仕事とかだと終わればその場かぎりですけど、ツアーでは常にバンドのメンバーと一緒なのも楽しかったですね。ただ僕は未成年でしたけど、周りはみなもっと大人でしたから、ご飯となると酒飲みにいっちゃうわけです。こっちはいつもルームサービスでご飯食べたりして孤独だったというのもあります。でも不満はなかったですよ。20才ぐらいまではとにかくがむしゃらで、今から思うとこうすれば良かったかなと思うことは多々ありますけど、自分の中では精一杯やったつもりはあります。欲を言えば、もう少し時間があれば、もっと完成度を高めてから披露したかったというのはありますね。

--曲に関するエピソードなどありましたら

あいざき:「愛の舟」や「真夏の感触」は筒美京平先生の曲ですが、サウンドがとにかく凄いなと感心します。現場で実際に演奏されたフレーズが見事で驚いたのも印象的でした。先生は洋楽もすごくたくさん聴いていらっしゃいますよね。その辺りからのいいところを採り入れたアレンジがカッコよくていつまでも古びない。ライヴで歌っても非常に映える曲だと思います。あと、「北へ北へ」と「恋はあまのじゃく」のカップリングのシングルがあるんですが、これは最初は「恋はあまのじゃく」がA面だったんですね。で、ファンの方からの要望もあってAB面がひっくり返った。それで唯一ジャケットが2種類存在するシングルなんです。「北へ北へ」は自分が書いた詞が形になったという感慨がありました。この後、『20才への憧憬』というアルバムでも詞を書いたり、詩集を出させていただいたこともあります。僕が恵まれていたと思うのは、今の時代を予見していたというか、「これからはタレントや歌手も自分の言葉で伝える時代が来る」と言われて、早い時期にそれを実践させてもらった。アイドルといえど、フォークの方たちみたいなものも求められるということをスタッフの方々が見据えていたおかげですね。

「FOREVER SHINYA
~コンプリート・アルバムズ
&プレミアムDVD BOX 1974-1979」

2013年2月20日発売

WPZL-30521 / ¥15,000円(税込)
amazonで購入する

詳細は、歌謡曲リミテッドNEWSにて。

--今回、ワーナー時代のすべての作品が収められたボックスが実現したわけですが

あいざき:改めて聴くと、自分でも忘れていた曲がいっぱいあります。そういったものはレコーディングの時以来歌っていない曲だと思いますから、新たなる発見もありますね。機会があったら録音し直したいものもありますが(笑)。加瀬邦彦先生の曲などを聴くと、僕の歌にはグループサウンズの遺伝子が流れているような気がするんです。MMPの渡辺茂樹さんにしてもそうだったわけですが。今、ステージで加橋かつみさんらGSの方々とご一緒したりするのも不思議な感覚がありますね。たまたまなのかも知れませんが、皆いい方ばかりです。いい人が生き残っているのか、いい人になってゆくのか判りませんが、ずっと続けているということは素晴らしいことですね。もちろんそれぞれに支えて下さるファンの方あってのことなんですが。最近はそんなことをひしひしと感じます。自分も続けて来られたおかげで、こうして作品をまとめていただくことが出来た。本当に嬉しいことです。ファンの方も喜んで下さっていますが、自分自身もとても嬉しいんです。ぜひ多くの方々に聴いていただきたいと思っています。DVDのパートには、自分も初めて見るような当時のテレビ番組の映像が収録されていて、これはよく残されていました。あわせてご覧いただけたら嬉しいです。

あいざき進也

1956年岐阜県生まれ。オーディション番組『あなたならOK!』で優勝し、渡辺プロに所属。1974年1月、当時のワーナーパイオニアから「気になる17才」でデビューしてヒットを連ねる。バックバンドのMMPと共に、アイドルの枠に収まらぬ質の高い音楽活動を展開した。秀でた歌唱力で現在も活躍を続ける。

公式サイト:http://www.aizaki.net/
公式ブログ:http://gree.jp/aizaki_shinya

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