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歌謡曲の若き歌姫、伊藤美裕

歌謡曲リミテッド スペシャルインタビュー

歌謡曲の若き歌姫、伊藤美裕

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取材・文/竹部吉晃 公開日:2013.04.12

--セットリストを見せていただきましたが、これだけの曲目の歌詞を覚えるだけでも大変ですよね。

伊藤:3か月に一度やっているんですが、全く知らないところからメロディと歌詞を覚えるのはすごく大変です。だからお風呂の中で一生懸命覚える感じです(笑)。楽器にも果敢にチャレンジしていて、弾き語りも披露しています。

--伊藤さんは基本的に勉強が好きなんでしょうね。

伊藤:そうですね。でも昭和の時代の音楽にすごく興味があるんです。昭和のアイドル全盛だった時代は、ファンの人は本気でアイドルに夢を託していたんですよね。ピンク・レディがテレビに出て新曲を歌った翌日はクラス中がその話題で持ちきりとか……。わたしたちの世代はそういうことはなく、一人ひとり趣味趣向が違ってバラバラだったので、本当にみんなが歌を通して一つのことで盛り上がっていた時代があったんだと思うと、うらやましく思えるんです。

--例えば、昔は「ザ・ベストテン」という歌番組があって、そこには毎週いろんなジャンルの歌手が出演していたわけですけど、子どもでもちゃんと演歌や大人の歌を聞いていましたからね。それが歌謡曲だったわけですよね。

伊藤:わたしの目標は年齢を超えて誰からも愛される歌手になることです。たいそうなことを言うのもおこがましいのですが、歌でひとつになれる。そういう歌手がひとりくらいいてもいいんじゃないか、と思うんです。

--ホントにそう思います。ぜひ、伊藤さんにそういう存在になっていただきたいと思います。

伊藤美裕 初の夏フェス 開催決定!!!

伊藤美裕presents
「伊藤美裕のミユダマ
~2013夏の歌謡祭~」

2013年8月31日(土)
18:00開場 / 19:00開演
@ 吉祥寺スターパインズカフェ

詳しくは、公式サイト
「ライブ・イベント情報」にて。

伊藤:今までリリースした3枚のシングルは、往年の歌謡曲を作っていらした作詞家さんや作曲家さんに曲を提供していただきました。それらの曲を歌わせていただき、ライブでは名曲と呼ばれる歌謡曲のカバーを歌わせていただいて、自分なりに歌謡曲を勉強してきました。そうやって歌謡曲の魅力にはまっていくなかで、「歌謡曲って何だろう?」「歌謡曲=懐メロではない」という思いを強くもつようになったんです。それで、わたしの中では時代に寄り添うはやり歌が歌謡曲じゃないかと、思うようになったんです。歌謡曲とは、いつも自分の隣にいて慰めたり、励ましたりするような存在じゃないかって。歌にはそういう役割があるんじゃないかと思うんです。

--まさにその通りだと思います。

伊藤:ということをいろいろ考えていくなかで、次は今まで勉強してきたものをアウトプットしていく時期じゃないかと思ったんです。わたしは今の、21世紀のはやり歌、みんなが口ずさめるような歌謡曲を歌いたいというところから今回の新曲「あなたの花になりたい」【PV視聴】の制作が始まったんです。

--なるほど。伊藤さんにとって、これまでのシングルとは少し違ったものになっているわけですね。

伊藤:「あなたの花になりたい」は、春にリリースするということもあり、別れもあれば出会いもある。新天地でひとり暮らしを始める人もいるかもしれない。でも人間はひとりではないよ、ということを歌った、ちょっとでも聞いてくれる人の背中を押せるような、とても暖かい曲になっています。そういうメッセージを持っているので、自分の気持ちを乗せて歌っています。これまでは、先ほども申した通り、歌の世界を自分なりに演じて歌っていました。ひとつ前のシングル「北国行き11:50」は列車に乗って彼氏に会いに行くという内容の歌ですが、なかなかそういう経験はできるものではないから。いろいろ映画を見たりして自分の中でイメージを膨らませて歌っていました。今回は自分の素の気持ちで歌っています。

4thシングル
「あなたの花になりたい」
2013年2月27日発売

COCA-16690 / ¥1,300(税込)
amazonで購入する

--この曲は末光篤さんの作曲です。歌ってみた感想はいかがですか。末光さんのメロディは難しいという印象があります。

伊藤:確かに転調するところがありますが、わたしも子供の頃からバイオリンをやっていて、末光さんのクラシックの要素がわかるので、難しい曲という印象はありませんでした。メロディに寄りかかりたくなるような感覚で、心地よく歌わせてもらいました。でも、コーラスのパートはその場で末光さんが考えてくださり、そのようにコーラスを入れたんですが、そのときはちょっと緊張しました(笑)。

--本当に春らしい、穏やかだけど力強い曲になっていますね。

伊藤:この曲は「笑顔が見える歌」をテーマにレコーディングしました。松井先生、末光さんと話し合って、そういう曲にしようということでレコーディングに臨みました。末光さんの曲は気持ちがハッピーになる曲が多いですよね。木村カエラさんの「Butterfly」もそうですし、安藤裕子さんの「HAPPY」もそうですよね。安藤裕子さんの「HAPPY」は大好きな曲でよく聴いていました。それと、以前、末光さんのライブを見させていただいたんですが、末光さんのピアノを弾く手には羽が付いているんじゃないかというくらい、軽やかで楽しそうで、純粋に本気で音楽に向き合っているというところがとても素敵に見えたんです。こういう人が作る音楽こそが世代を超えて支持されていくんじゃないか。それを歌謡曲と呼ぶんじゃないかって思ったんです。

--素晴らしい解釈ですね。末光さんは歌謡曲はもちろん、いろんな音楽に精通されていますから、そういうところで、伊藤さんの魅力を弾きだしてくれたのかもしれませんね。ところで、カップリングの「月の鍵」もいい曲ですね。

伊藤:この曲で初めてウィスパーボイスにチャレンジしました。末光さんから「ジェーン・バーキンみたいに」と言われて、わたしとしては「ジェーン・バーキンって歌っているんだ?」ってところから始まって……(笑)。いろいろ動画を見て勉強して、この曲を歌いました。

--ホント勉強熱心なんですね。そういうところからいろいろな要素が伊藤さんの中に蓄積している気がします。

伊藤:毎日が勉強ですね。いろいろな人からいろいろなことを教えられて知識が蓄えられている気がします。だから、いろいろな人と会話をする上での共通言語が増えてきて、そこがとても嬉しいですね。

--年輩のファンの方はきっと嬉しいでしょうね。でも伊藤さんのファンは年齢層が幅広いんでしょうね。

伊藤:そうですね。私くらいの年の方から50代、60代の方までライブに足を運んでいただいています。先日のミユゼミでフォークを取り上げたときにも年輩の方から「ほろっとしまっした」という反応が合ったりしました(笑)。今の音楽は年齢によって細分化されているような気がして、この年の人はこのジャンルの音楽が好きというようにかなり細かく決められているように思うんです。

--確かにそうですね。

伊藤:でもそういう枠を超えた誰もが聞ける音楽があってもいいんじゃないかって思うんです。それを強く感じたのは2年前の震災の後、みなさんが50年くらい前の古い歌謡曲を聞いて、歌って励まされたということがありましたよね。名曲だから当然だとは思うんですが、別の見方をすると、今そういう歌がないからともいえると思ったんです。それは悲しいことだって。自分はそういう歌を歌う歌手になれたらいいなと思ったんです。

--やりがいのある仕事ですね。歌謡曲リミテッドは全面的に応援させていただきます。

伊藤:ありがとうございます。そういう重要な役割を担える歌手になりたいと思っています。どうぞ、よろしくお願いします。

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伊藤美裕 Special Playlist
今こそあたらしい歌謡曲
~私に歌うヒントをくれる曲たち~

伊藤美裕

大阪出身の25歳。2009年に「輝け!歌謡曲~歌姫を探せオーディション~」でグランプリを受賞し、2011年4月、「コロムビア創立100周年記念歌謡曲アーティスト」として「六本木星屑(スターダスト)」でデビューを果たす。その際のキャッチフレーズは「歌謡曲の歌姫〜100年の眠りから目覚める〜」。同年のレコード大賞では新人賞を受賞。これまで「why?~真夜中の予感~」「北国行き11:50」「あなたの花になりたい」の4枚のシングルをリリースしている。

「あなたの花になりたい」特設サイト:
http://columbia.jp/itomiyu/

公式ブログ「MIYU LABO」:
http://ameblo.jp/miyu-ito/

日本コロムビア 公式サイト:
http://columbia.jp/artist-info/itomiyu/

 

『東京レコード散歩』2017年2月22日発売。東京にちなんだ曲だけを収録したコンピレーション・アルバム『東京レコード散歩』第二弾がレコード会社3社から同時発売!

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