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ジェニファー 単なるカバーに留まらず、新しい歌謡曲観をもった独自の世界を構築

歌謡曲リミテッド スペシャルインタビュー

ジェニファー
単なるカバーに留まらず、新しい歌謡曲観をもった独自の世界を構築

取材・文/竹部吉晃 取材/鈴木啓之 公開日:2014.03.07

昨年7月にハワイ出身のバイリンガル歌謡曲歌手としてデビューしたジェニファー。「関ジャニの仕分け∞」(テレビ朝日系)内“カラオケワールドカップ”への出演でも話題となった彼女が、昨年11月からマンスリーでリリースしてきた配信限定シングルをまとめたミニ・アルバム『COVER 60′s-70′s』を2月19日にリリースした。タイトルのとおり、60年代から70年代にかけてヒットしたいしだあゆみ、山口百恵、八神純子などの曲のカバーを収録した今回のアルバム。持ち前の歌唱力と表現力により、単なるカバーに留まらず、新しい歌謡曲観をもった独自の世界を作り上げている。ようやく、歌の意味を深く理解できるようになってきたと語る彼女、テレビの出演から注目 度が高まっているなかでリリースされた『COVER 60′s-70′s』はさらなる飛躍を遂げる重要作品となるだろう。

--先日行われたライブ「キープスマイリングファミリー感謝dayでは、事務所の先輩の早見優さんと香坂みゆきさんと共演していましたね。

ジェニファー:みゆきさんと優さんはわたしにとって姉のような存在で、先輩というよりもファミリーという感じなんです。先日のイベントは2ステージあって、それぞれ違う曲目を歌ったので、ゼロから覚えなければならない曲がたくさんあって、すごく大変だったんですが、わたしの知らない曲があると、みゆきさんと優さんが「それはこうだよ」って優しく教えてくれて、とても助かりました。うちの事務所は全員がファミリーのようで、心が暖かい人たちが多いんです。

--それが伝わってくるイベントでした。ジェニファーさんの目には香坂さんと早見さんはどのように映るのでしょうか。

ジェニファー:みゆきさんと優さんはそれぞれ違った魅力があるんです。例えば、優さんはデビューから30年も経つのにいまだに可愛いし、お客さんの顔を見ると、その目はまるで16歳か17歳のアイドルを見るようにキラキラしているんですね。お客さんの心をそうさせる優さんは本当にすごいって思いました(笑)。

--ヒット曲も古くないですもんね。

ジェニファー:そうなんです! みゆきさんの歌は今回初めて聞いたのですが、元々「レイラ」と言う曲が大好きで、自分でも歌いたいと思っていたんです。でも今回、みゆきさんの歌を聞いたら、本当に素晴らしくて、感動してしまいました。

--確かに素晴らしかったです。ライブでは多くの曲をカバーされていましたが、日本語の曲を覚えることの苦労は少なくなってきましたか。

ジェニファー:そうですね。日本語の歌を覚えることに少しずつ慣れてきています。3年も勉強していますからね。今回は歌謡曲だけではなく、演歌やアイドルポップ、J-POPなどの幅広いジャンルの名曲ばかりを歌ったので、とてもいい経験になりました。毎日、iPodでそれらの曲を聴いていますけど、徐々に名曲と言われる曲のよさが分かってきました。

--選曲はご自身で決められたのですか。

ジェニファー:スタッフのアドバイスもありましたが、基本的には自分の歌いたい曲を歌いました。主にミュージカルで歌っていた曲、J-POPのバラード、テレビ「関ジャニの仕分け∞」で歌っていた曲ですね。MisiaさんとJUJUさんの2曲はずっといい曲だと思っていて、歌詞も好きだったんです。今回、歌謡曲ではないけど、ぜひ歌ってみたいと思ってチャレンジしてみました。わたしは、歌謡曲以外にもロックもポップスも演歌も大好きで、音楽をジャンルで分けたくないんです。ジャンルレスにいい曲を歌っていきたいんです。

--「関ジャニの仕分け∞」以降、認知度が増していると思うのですが、そういう状況は意識しますか。

ジェニファー:ステージに上がって歌を歌い出したら、それはあまり考えないですね。まだそんなに有名じゃないし、私のことを知らない人もたくさんいますから。今後、有名になったとしても、どこで歌っても私のことを知らない人は絶対にいると思うんです。だからこそ、毎回のステージにベストを尽くしたいし、歌い終わった後にお客さんの心に残る歌を歌いたいと思います。

--でも、私生活の中で気づかれることもあるのではないですか。

ジェニファー:そうですね、最近印象に残っていることは、韓国料理をひとりで食べに行ったとき、お店のドアを開け、わたしの顔をみるや、お客さんから「仕分け」見ましたって言われて驚きました(笑)。そのあと、ずっと見られているような気がして、料理が食べにくかったです(笑)。けど、少しずつジェニファーの名前が広まっていることを実感しましたね。

--歌謡曲を歌うジェニファーさんということが徐々に認知されている中での今回のアルバム『COVER 60's-70's』のリリースはとてもいい流れですね。

ジェニファー:アルバムに収められた7曲すべて好きな曲なので、一つひとつに思い入れがありますし、1曲ずつに違ったわたしが出ていると思います。改めて、7曲を聴いていて思うのは、それぞれの曲に古いとか懐かしいという印象がないところです。

--新しい歌謡曲になっていますよね。

ジェニファー:「迷い道」は最初に聴いたときから大好きな曲で、この曲を歌うことがすごく楽しいんです。歌い出しのところから、すごくノリがよくて、この間のライブでみゆきさんと一緒に歌ったときも、とても気持ちよかったです。渡辺真知子さんのオリジナルももちろん素晴らしいんですけど、わたしはそれとは違う魅力が出たバージョンになっていると思います。自分でも、すごく気に入っているんです。

ジェニファー
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2013年11月より3ヶ月連続配信シングルとしてリリースした60・70年代のカバー6曲に、「雨の御堂筋」を加えた全7曲。珠玉の昭和歌謡カバー。

収録曲:
1. 太陽は泣いている(オリジナル:いしだあゆみ/1968年)
2. ビューティフル・ヨコハマ(オリジナル:平山みき/1970年)
3. 迷い道(オリジナル:渡辺真知子/1977年)
4. Mr.サマータイム(オリジナル:サーカス/1978年)
5. 雨の御堂筋(オリジナル:欧陽菲菲/1971年)
6. イミテイション・ゴールド(オリジナル:山口百恵/1977年)
7. みずいろの雨(オリジナル:八神純子/1978年)

--「迷い道」の名前が出ましたが、ほかの収録曲も1曲ずつコメントをいただきたいと思います。「太陽は泣いている」はいかがですか。

ジェニファー:前からステージで「フルー・ライト・ヨコハマ」を歌っているので、いしだあゆみさんの曲は大好きなんです。この曲も大好きなので歌わせてもらいました。短い曲だけど、インパクトがあって、どこかで流れていたりすると思わず振り向きたくなりますよね。

--「ビューティフル・ヨコハマ」は平山みきさんの曲ですね。

ジェニファー:この曲は歌詞がユニークです(笑)。男の人の名前がたくさん出てくるし、最後の「あなたのためにこの髪だって黒く染めたの」っていう歌詞もどんな意味があるんだろう?って。

--確かにそうですね。今では女性が髪の毛を染めることは当たり前ですし、アメリカ人の髪の毛は最初から色が付いているわけですからね。

ジェニファー:そういう考えはアメリカにはないです。わたしは12、13歳の頃から赤とか金髪とかいろいろな色に染めていたので(笑)。別に校則違反なわけでもないし、そこがアメリカと日本は違うなって。

--そういうジェニファーさんのような人が日本の歌謡曲を歌うことが面白いんでしょうね。

ジェニファー:レコーディングのときは、ディレクターとディスカッションを重ねて、一つひとつの歌詞の意味や、なぜそういう歌い方をするのか、の意味を教えてもらいながら歌いました。たとえば、「ビューティフル・ヨコハマ」の「ビューティフル」という言葉の発音は、わたしが歌うとどうしても「Beautiful」になってしまうんです。でもこの曲は「カタカナ」のように歌わなければならないので、そこは苦労しました。でも、そこだけで新しく聴こえますよね。

--確かにそうですね。この曲の筒美京平ですが、この人の根本にあるのが洋楽なので、ジェニファーさんが歌うことで新しい魅力が出てくるんでしょうね。続いて、「Mr.サマータイム」はいかがですか。元々この曲はフランス人が作ったものを日本語にして大ヒットしたんです。

ジェニファー:そうなんですか! 確かにそういう感じですね。この曲を聴いていたらワインを飲みたくなりました(笑)。ホント、最初に「Mr.サマータイム」を聴いたとき、これは歌謡曲じゃないって思いました。ジャズっぽいですよね。普通にいまのJ-POPのチャートに入れるんじゃないかって。だから、この曲は自分の好きなように歌いました。ハワイにいるようなのんびりした雰囲気を思い出しつつ、歌詞に書かれているように淋しく切ない気分で。

--「Mr.サマータイム」って英語として合っているんですか。

ジェニファー:サマータイムは、普通に使う言葉ですね。でも、それにMrを付けるとおかしいですよね。「サマータイムさん」「夏さん」という意味になりますね(笑)。

--そうですよね(笑)。

ジェニファー:これも、わたしが普通に歌うと「Summertime」って英語の発音で歌ってしまいますから、そこに気を付けました。

--続いて「雨の御堂筋」はいかがですか。

ジェニファー:この曲は3年半前に初めて聞いた歌謡曲で、とても思い入れがあります。最初は、古い曲だと思いましたけど、欧陽菲菲さんのボーカルにパンチがあってすごくカッコいい曲だなって思うようになっていったんです。欧陽菲菲さんの歌う「ラヴ・イズ・オーヴァー」にも感動して、本気で歌謡曲の勉強をしたいと思い、この世界に入りました。

--ジェニファーさんにとって思い出の曲なんですね。

ジェニファー:3年間ずっと歌ってきた曲なので、自分のヒストリーが詰まっていますね。最初の頃はまだ日本語もほとんど分からなかったので歌詞の意味も知らずに歌っていました。あれからいろんな経験を積んできたので、いまこうやって自分の歌った「雨の御堂筋」を聴くと大人になったというか、成長したと言うか、昔の私とは全然違いますね。だから、すごく懐かしい気持ちになります。今ではこの曲を歌うと、歌詞に書かれた女の人の気持ちが理解できるようになりました。歌詞が心に入ってくるというのでしょうか。大阪にも何度も行っていますから、場所にも詳しくなりましたし(笑)。そういう細かいところを理解するようになって、表現力が増した気がします。

--やはり、ご当地ソングはその土地を理解することが大切なんですね。

ジェニファー:それは大切です。実際に、大阪の梅田で「御堂筋」を歌うことがあって、「なるほど!分かった!」って思いましたから(笑)。

--では「イミテイション・ゴールド」はいかがですか。

ジェニファー:最初に聴いた百恵さんの曲が「プレイバックPart2」でした。すぐに大好きになって、その後に聴いたのが「イミテイション・ゴールド」で、これも大好きになったんです。わたしが歌うと可愛いけどちょっと性格が悪い子の歌になるんです。わたしは悪い子ではないんですけど(笑)、裏でちょっといたずらをするのが好きなんです。

--百恵さんの曲は勝気で性格がちょっと意地悪な女の人が多いのかもしれませんね。

ジェニファー:強気な女の子で、男の子を殴ってしまうみたいなところが好きなんです(笑)。この曲は、とくに最初の歌い出しのところが大好きですね。わたしが曲を判断する場合、イントロから30秒で好きか嫌いかが決まってしまうんです。

--「イミテイション・ゴールド」を選ぶセンスがいいですね。当時、大ヒットしたのですが、あまり語られることが少ない曲です。

ジェニファー:今ではわたしと娘がお風呂に入るときのメインテーマなんです(笑)。シャワールームのドアを開けるとスチームが出てくる感じがこの曲にぴったりなんですよ。だから、この曲を歌いたくなったんです。

--百恵さんのエピソードについては知っていますか。

ジェニファー:いろいろ話を聞きました。人気絶頂のときに、家族のために仕事を辞められて、家に入られたんですよね。でも、わたしにはその気持ちがすごくよくわかります。今はこの仕事をしていますが、家族がいますから、その幸せの大切さも分かるんです。

--人気絶頂で引退されて、その後一切表舞台に出てこないっていう人、世界中のエンターテインメント界を見渡してもいないんじゃないですかね。

ジェニファー:そして、いまも話題に上がることがすごいですよね。でも、一切表に出てこないところがカッコいい。まさに天才、レジェンドですよね。

--最後に「みずいろの雨」についてはいかがですか。今ではジェニファーさんの代表曲といえるかもしれません。

ジェニファー:これは本当に難しい曲なんです。八神純子さんのボーカルはホントにスゴイですよ。「関ジャニの仕分け∞」で歌った曲なんですが、最初にテレビの出演が決まってから本番まで1週間しか時間がなくて、毎日6時間くらい歌っていました。しかもあと2曲、覚えなければいけなかったので本当に大変でした。あとの2曲は平井堅さんとMisiaさんの曲を歌ったんですが、わたしは歌謡曲歌手だから、「みずいろの雨」をいちばんうまく歌わなければならないというプレッシャーで本番はものすごく緊張しました。本番は無事歌うことができて、テレビでオンエアされたあとの反応が物凄かったんです。ブログやツイッターに多くの声が寄せられて、アクセス数の桁が違うんじゃないかなっていうくらいでした。しかも、いいコメントばかりで、本当に嬉しかったですね。なので、「みずいろの雨」をちゃんとレコーディングしようかということになったんです。今ではキャンペーンでも歌う機会が多いのですが、ライブで歌うときは本当に大変です(笑)。

--八神さんしか歌える人がいないんじゃないかという曲を見事に歌いこなしているところに皆さんが感動したんでしょうね。

ジェニファー:この曲は息継ぎをするところがないんですよ(笑)。最初のコーラスの「あ~」からAメロまで休むところがなくて、しかも息継ぎしないと歌えないんです。それに、この曲を歌ったあと、腹筋が痛くなるんです。毎朝走っているんですが、それがなかったら歌えないんじゃないかと思いますね。でも、この曲でジェニファーの名前を知っている人が多いので、歌うのは難しいけど、歌っていてすごく気持ちがいいですね。

--今回はカバー曲だけを収録したアルバムですが、それまでのCDはオリジナル曲でしたよね。

ジェニファー:オリジナル歌手が歌う曲を聴いたうえで自分なりに歌うことができるという意味ではカバーのほうがやりやすいのはあります。オリジナル曲は自分の曲だから、とても嬉しい反面、どうやって歌おうかというプレッシャーがあるんです。カバーは素敵なオリジナルからもっと素晴らしいものにしようという気持ちが出てくるので、勉強しつつ楽しめるんです。

--オリジナル曲とカバー曲それぞれにジェニファーさんの魅力がありますから、両方でファンを楽しませてもらえればと思います。

ジェニファー:カバーもプレッシャーがないわけではないから、別の意味のプレッシャーがありますよね。

--まだまだ歌いたい曲があるのではないですか。

ジェニファー:この間のライブでもいろいろな曲を覚えて歌いました。モーニング娘。、米米クラブ、演歌の「越冬つばめ」まで(笑)。大変だったけど、すごく楽しかったんです。今後もいろいろな曲を歌っていきたいと思いますね。

--我々からのリクエストとしては、ジェニファーさんの歌う欧陽菲菲さんの「恋の十字路」なんか、聴いてみたいですね。

ジェニファー:そうですか。ぜひ今度聴いてみます。

【イベントレポート】


2月15日、六本木クラップスでジェニファーが所属する事務所のライブイベント「キープスマイリングファミリー感謝day」が行われ、事務所の先輩・早見優、香坂みゆきと共演した。
ジェニファーはアルバム『COVER60’s−70’s」の収録曲「みずいろの雨」などを歌唱するほか、早見優、香坂みゆきもそれぞれのヒット曲を歌唱、また、3人で「学園天国」を披露する場面も見られた。

ジェニファー

生年月日1986年12月5日、出身地ハワイ・ホノルル、血液型A型。
アメリカ人の父と日本人の母を持つバイリンガル、一児の母。小学生のころからハワイのテレビやミュージカルに出演し、将来は歌手になることを夢見る。14歳でビクターエンタテインメントと契約し、ハワイでアルバムをリリース。発売日である7月2日はホノルル市「ジェニファーの日」に制定される。
2004年、ニューヨークに移住し、R&Bシンガー「SHAGGY」のヨーロッパツアーバックボーカルとして参加。2007年には映画「フラガール」のメインテーマを歌う。企画アルバム「Love Isle」「Love Isle Sweet」でJ-POPのヒット曲をカバーするなど歌手活動の傍ら、「レ・ミゼラブル」「レント」等のミュージカルにヒロインとして出演し、トップミュージカル女優となる。
2013年、「歌謡曲の新しさとカッコよさをシェアしたい」と宣言し、「25時のエアポート」でデビュー。

オフィシャルブログ「ひらがなジェニー」:
http://ameblo.jp/jennifer-blog/

オフィシャルサイト:
http://www.keepsmiling.co.jp/talent/jennifer/

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