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ディア・ポップシンガー 荻野目洋子

歌謡曲リミテッド スペシャルインタビュー

ディア・ポップシンガー 荻野目洋子

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取材・文/濵口英樹 公開日:2014.08.20

“荻野目ちゃん”が帰ってきた! 長らく子育てを優先していた荻野目洋子が、デビュー30周年を飾るニューアルバム『ディア・ポップシンガー』(8月20日発売)を引っ提げて、本格的に活動を再開する。待望の新作は自身の代表曲の新録ヴァージョンのほか、70~80年代に世界的なヒットを記録した洋楽の日本語カヴァーで構成……と聞けば、87年の年間アルバムランキング1位を獲得した大ヒット作『NON-STOPPER』を思い出す方も多いことだろう。しかも本作にはオリジナル曲としては15年ぶりとなる新曲「キミとタイムマシン」も収録。新曲の作詞と洋楽カヴァーの日本語詞は彼女自身が手がけたというから、再始動の第一弾としてこれほどふさわしいアルバムはあるまい。昨今のヒットチャートは歌って踊れるアーティストが上位を占めているが、ディスコブームの再来やNHKの朝ドラ『あまちゃん』に象徴される80年代カルチャー再評価の動きもあって、日本にダンスミュージックを定着させた荻野目洋子というパイオニアが改めて注目されている。

--デビュー30周年、おめでとうございます!

荻野目:ありがとうございます。でも子育てで歌を休んでいた時期もありますから、あまり“30周年”とは言いたくないんです(笑)。寧ろ“デビュー30年のメモリアルイヤー”という位置づけですね。

--なるほど(笑)。そのメモリアルイヤーに音楽活動を本格的に再開されるという、またとない朗報が届きました。

荻野目:正直に言うと、休んでいた時期は「もう歌うことはないのかな」と思うこともありました。ある意味、燃え尽きていた部分もあったし、それ以上に子育てが自分にとっては全くのニューワールドで、人生観を変えられた感じだったんです。それがここ数年、自然な形で特番への出演やコラボ企画などのお話をいただくようになって。様々な人との繋がりに導かれるように歌う機会に恵まれたのは本当にありがたいことで、私自身もそういう場に向けてトレーニングを重ねてきた感じです。

--最近では『FNS歌謡祭』(フジテレビ系)や『THE MUSIC DAY 音楽のちから』(日本テレビ系)など、歌番組に出演されるたびに歌唱曲の「ダンシング・ヒーロー」(85年)が配信チャート(歌謡曲/演歌部門)の1位を獲得するなど、ブランクを感じさせないヴォーカルが話題となっています。育児のかたわらヴォイストレーニングを積まれていたのでしょうか。

荻野目:一番下の娘が幼い時は、私が歌の練習を始めると「マミー、歌わないで!」って言われることもあったんです。やっぱり自分のことを見ていてほしかったんでしょうね。もちろん子育てが終わったわけではないんですけど、最近は徐々に自分の時間がとれるようになってきたので、2年前から腹式トレーニングに通っています。私がデビューする前に教わっていた先生なんですが、以前よりレッスン内容が進化していて、先生ご自身もさらにパワフルになられていて(笑)。

--視聴者の間では「以前にも増して力強い歌声になっている!」という評判でしたが、その秘訣は腹式トレーニングにあったわけですね。

荻野目:それでも通い始めた頃は全然声が響かなくて、「あ、普通の主婦の躰になっているな」という感じでしたよ(笑)。喉も筋肉ですからね。まずは使っていなかった筋肉を鍛えて、きちんとした発声を取り戻そうと思って、行けるときはなるべく通うようにしていました。レッスンの中で走ったりもするので、体力もつきましたね。

--かつてよりも声量や声域が広がったのではないですか?

荻野目:改めて測ってはいないんですけど、ファルセットでは以前より高いキーを出していますね。でも一番変わった点は、躰に負担をかけずに発声できるようになったことかな。水泳でいうと、長距離の選手って力を抜いてゆったりと泳いでいるじゃないですか。私も以前はその場だけ声が出ればいいやという考え方だったんですけど、体力や瞬発力は若いときと違うわけですから、疲れない歌い方を意識するようになりました。

荻野目洋子
「ディア・ポップシンガー」

8月20日(水)発売

生産限定盤(CD+DVD):3,900円(+税)
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通常盤: 2,900円(+税)
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<CD収録曲>
01. 99 Big Balloons!! (99Luftballons)
<オリジナル:ネーナ/83年>
02. ねえ
<New Version/23rdシングル/91年>
03. ホット・スタッフ~恋のかけひき~ (Hot Stuff)
<オリジナル:ドナ・サマー/79年>
04. コーヒー・ルンバ (Moliendo Cafe)
<New Version/25thシングル/92年>
05. ラヴィン・ユー・ベイビー(I Was Made For Loving You)
<オリジナル:KISS/79年>
06. ダンシング・ヒーロー(Eat You Up)
<New Version/7thシングル/85年>
07. ブレイクアウト~弾けろ、ワタシ~(Breakout)
<オリジナル:スウィング・アウト・シスター/86年>
08. STEAL YOUR LOVE
<New Version/24thシングル/92年>
09. フリーダム(Freedom)
<オリジナル:ワム!/85年>
10. 六本木純情派
<New Version/10thシングル/86年>
11. キミとタイムマシン
<新曲/作詞:荻野目洋子>
12. ダンシング・ヒーロー(Eat You Up)[remix]

<限定盤DVD収録>
01. MV:ダンシング・ヒーロー (Eat You Up) <New Dance Version>
02. メイキング映像 (BGM:STEAL YOUR LOVE~ねえ)
<Bonus Live Video>
03. 六本木純情派
04. ダンシング・ヒーロー (Eat You Up)
05. STEAL YOUR LOVE
06. ねえ
07. コーヒー・ルンバ
※3, 4:『Verge of Love 武道館LIVE』(1989年 日本武道館)より
5~7:『Pop Liberation Force』(1992年 東京厚生年金会館)より

--今回リリースされた『ディア・ポップシンガー』は、そんな荻野目さんの“今”がたっぷり味わえるアルバムに仕上がっていると思いますが、制作はいつ頃スタートしたのでしょう?

荻野目:具体化したのは今年に入ってからですが、打ち合わせは昨年から重ねていました。実はスタッフの皆さんと時間をかけて企画段階から作り上げたのは初めてに近い経験だったので、じっくり取り組めたという達成感がありますね。

--オリジナル曲のセルフリメイクと、洋楽の日本語カヴァーが収録されていますが、アルバムの構成は打ち合わせを通じて決まったのでしょうか。

荻野目:いえ、以前作った『NON-STOPPER』(86年)というアルバムがすごく好評だったので、同じようにオリジナル曲と洋楽カヴァーで構成するというコンセプトは当初から決めていました。『NON-STOPPER』の現代版というイメージが最初から見えていましたから、そういう意味では作りやすかったですね。

--タイトルの『ディア・ポップシンガー』は、我々リスナーが待ちわびた荻野目洋子というポップシンガーへの想いを見事に代弁してくれているような気がします。

荻野目:私自身、憧れるシンガーはたくさんいますし、歌い手というのは常にカッコよくありたいと考えているんですね。今回はリスペクトするシンガーの1人、ドナ・サマーの曲もカヴァーしていますが、『ディア・ポップシンガー』というタイトルにはそんな私の気持ちも込められています。

--では選曲についてお聞かせください。今回セルフリメイクしたオリジナル曲はどういう基準で選ばれたのでしょう。

荻野目:オリジナル曲についてはスタッフの意見を参考にしました。自分の曲って、どれも思い入れがあるから選ぶのが難しいし、それよりは皆さんが聴きたい曲を入れたかったんです。

--結果的に「六本木純情派」(86年)や「コーヒー・ルンバ」(92年)など、これぞ荻野目ちゃん!という代表曲が揃いました。

荻野目:実は数年前から東海地区を中心に「ダンシング・ヒーロー」が盆踊りで定着していて、私自身も「代表曲をちゃんと歌い続けていきたい」と思っていたんですね。ですから今回のセルフリメイクはちょうどいい機会になりました。

--リメイクの場合、往々にしてアレンジや唱法を変えすぎて、聴き手としては戸惑うことも多いのですが、今回は全く違和感がありませんでした。

荻野目:「オリジナルのイメージを壊さないようにしよう」という意識がありましたから、テンポはほとんど変えていません。もちろんキーも同じです。逆に変わったところは・・・どれも長年歌ってきた曲ばかりですから、多少なりとも“歌い込んでる感”はあるかもしれませんね(笑)。

--では洋楽のカヴァーについてはいかがでしょう。

荻野目:カヴァー曲は自分が惚れていないと歌えませんから、すべて私の選曲です。セレクションの過程では、歌いながら踊る先駆者として私がリスペクトしているマドンナの曲なども考えたんですけど、今回は初めての曲にチャレンジしようと思って、今まで歌ったことがない5曲を選びました。特にドナ・サマーの「ホット・スタッフ」は、最近、ディスコクイーンという存在に改めて惹かれていることもあって、「この機会に歌ってみたい!」という思い入れがひときわ強かった作品です。

--出世作となった「ダンシング・ヒーロー」をはじめ、「ユア・マイ・ライフ」(89年)や「コーヒー・ルンバ」など、多くのカヴァー作品をヒットさせてきた荻野目さんですが、カヴァーに対する特別な想いはありますか?

荻野目:リスナーの皆さんにとっては原曲のイメージが一番強いでしょうから、カヴァーするときはそれを壊さないように心がけつつ、シンガーとして自分なりの色が出せるように挑みたいというスタンスです。私は洋楽が好きでよく聴いているんですけど、欧米のアーティストってカヴァーを必ず歌いますよね? そこにシンガーとしての奥行きが見える気がするので、私もオリジナルにこだわることなく、これからもカヴァーは積極的に歌っていきたいですね。

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荻野目洋子

1968年千葉県出身。4人きょうだいの末っ子として育ち、79年、小学生ユニット“ミルク”の一員としてデビュー。その後、学業に専念するが、アニメ『みゆき』の声優を経て、84年4月「未来航海-Sailing-」でソロデビュー。85年「ダンシング・ヒーロー(Eat You Up)」で初のトップ10入りを果たし、以後「六本木純情派」「コーヒー・ルンバ」などヒットを連発。アルバム『NON-STOPPER』が87年のオリコン年間1位を獲得する一方、ドラマや映画、CMにも多数出演。01年に結婚し、三姉妹の母親として育児を優先していたが、30周年記念アルバム『ディア・ポップシンガー』のリリースを機に音楽活動を本格的に再開。10月16日には赤坂ブリッツで30周年記念ライヴが開催される。

オフィシャルサイト:
http://www.oginome.com/

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