トップページ 特集 モナオとマシュー ムード歌謡のニュー・スタンダード「たぶん新宿」

モナオとマシュー ムード歌謡のニュー・スタンダード「たぶん新宿」

歌謡曲リミテッド スペシャルインタビュー

モナオとマシュー
ムード歌謡のニュー・スタンダード「たぶん新宿」

取材・文/竹部吉晃 公開日:2015.05.08

昨年の有線チャートで年間5位を記録した「愛してもなお」のモナオと2011年にリリースした東日本大震災チャリティシングル「ありがとう」が話題になった木村摩周によるモナオとマシューのデュエット曲「たぶん新宿」が5月13日に日本クラウンからリリースされる。「別れても好きな人」「三年目の浮気」「雨の西麻布」など、昭和の時代に流行ったムード歌謡デュエットを感じさせる懐かしい雰囲気をもったメロディと生楽器を使用したゴージャスなアレンジ、そして新宿を舞台にした男と女の複雑な関係を言葉にした歌詞が絶妙にマッチした、まさに平成のデュエット・スタンダードに相応しい1曲となった。また、モナオとマシューの掛け合いやコーラス、振付も聴きどころ、見どころのひとつ。そして、小松政夫が渋い演技を見せているミュージック・ビデオは小松政夫芸能生活52年にして初のミュージック・ビデオとして、スポーツ新聞やYahoo!ニュースで取り上げられるなど、発売前から話題満載となっている「たぶん新宿」。早くも今年のヒットチャートをにぎわす異色な存在になるかもしれないと評判のモナオとマシューに話を聞いた。

--まずはモナオさん。「愛してもなお」のヒットおめでとうございました。昨年の有線チャートの年間5位にランクされたそうですね。

モナオ:ありがとうございます。自分が歌手を続けて行こうと思った曲なので、この「愛してもなお」がみなさんに愛されていることに関しては心から嬉しく思いますし、応援していただいた方々に改めて感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございました。でもぼくは、「愛してもなお」には、まだまだ可能性があると思っているんです。歌手は一度レコーディングしてしまうと、その曲に関して客観的に見ることができなくなるんですが、「愛してもなお」は、歌っていて全然飽きないですし、最初に聴いたときの感動を今も実感することができるんです。

--「愛してもなお」は、本当に何度聴いても飽きない不思議な魅力がありますね。いままで何回くらい歌っていると思われますか。

モナオ:1000回は優に超えているんじゃないですかね。ファンの人から「愛してもなお」は聴くたびに違った印象があるという声をよく聴くんです。もちろん、聴くシチュエーションによって印象は変わってくるんでしょうけど、「愛してもなお」は常に新しい発見を感じさせる曲なんでしょうね。ぼくも1000回以上歌っても全然飽きないんです。

--それでも、まだ聴いたことのない人もたくさんいるわけですからね。

モナオ:だから、多くの人の耳に届くよう、まだまだ歌い続けていきます。でも、有線で多く流れたことで、普段演歌や歌謡曲になじみがない人に浸透していることをすごく感じています。最近は知らない人がカラオケで「愛してもなお」を歌った動画をYouTubeなどのサイトであげている人も増えているようですし、徐々に自分の手から離れて、いろいろな人に愛されはじめています。「愛してもなお」はこの先にまだ大きな盛り上がりがあるのではないかと期待しています。

--今回のモナオとマシューの「たぶん新宿」は「愛してもなお」のヒットがきっかけで実現したユニットといってもいいのでしょうか。

モナオ:そうですね。「愛してもなお」がきっかけで、作詞家の相田毅先生と知り合うことが出来、一緒にお仕事をすることになり、そこで出来上がった曲がこの「たぶん新宿」なんです。

--相田毅先生といえば、多くのヒット曲を持つ作詞家ですよね。

モナオ:相田毅先生が作詞されたSMAPの「俺たちに明日はある」は昔から大好きな曲で、歌詞カードを見なくても歌えるくらいなんです。その相田先生と仕事ができるなんて光栄この上ない感じです。

--相田毅先生と仕事をすることが決まったあとにマシューさんとお知り合いになったと。

モナオ:モナオの次の新曲は女性とのデュエット曲で行きましょう、ということになって、相手探しをしているときに新宿の飲み屋でマシューと知り合ったんです。お店で歌っているマシューの声に惚れ、こちらからユニット結成を持ちかけました。

--不思議な縁ですね。マシューさんはいかがでしたか。

マシュー:はい。「一緒に歌ってもらえませんか?」と、お願いされました。「わたしでいいんですか?」って思いました(笑)。

--マシューさんもバスガイドの仕事をされながら、歌手活動をされていて、「ありがとう」という曲で話題になっていました。そういうことも知らずに声をかけたと?

モナオ:あとで知ってびっくりしました(笑)。でも、初めてマシューの声を聞いたとき、これは自分にラッキーを呼び込んでくれる声だなって思ったんです。直観であって、理由はないんですけどね。そして、出来上がってきた曲が「たぶん新宿」で、これもまた偶然なんです。

--新宿がカギになっているんですね。

モナオ:二人で歌ってみたら、ぼくの直観通り、声の相性がよかったんです。モナオとマシューというコンビ名も語呂がいいですし、どこか運命的なものを感じました。

--「たぶん新宿」を最初に聴いた感想はいかがでしたか。

モナオ:ぼくは昭和の時代に流行った歌謡曲が大好きで、ステージでもよく歌っているんですが、「たぶん新宿」はその時代の歌謡曲の雰囲気が感じられて、一度聴いてすぐに気に入りました。

マシュー:初めて聴いた曲なのに懐かしい気持ちになりました。

モナオとマシュー
『たぶん新宿』
c/w「別れてもなお」(モナオ)

CRCN-1874 ¥1,143+税
2015年5月13日発売

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--「別れても好きな人」「三年目の浮気」とか、昭和の時代の定番デュエット・ソングを思い出しますよね。

モナオ:カバーではなくて、オリジナル曲で昭和の時代にタイムスリップできてしまうところが、この曲の魅力だと思います。

--二人にとって初めてのデュエット曲ですか。

マシュー:まさか、自分がデュエット曲を出すとは思いませんでした。

モナオ:ホントに(笑)。

--慣れていない分、歌っていないパートが手持ち無沙汰になってしまうとか?

マシュー:それはないですね。

モナオ:二人の気持ちをひとつにして、この曲を伝えたいと思っているので。

--歌詞の意味はどう理解されていますか。

モナオ:新宿の飲み屋で飲み潰れているダメな男と、その男を自分の手のひらで泳がして遊ばせている気の強い女性の物語。

マシュー:男はその女性のことが大好きなんだけど、素直に気持ちを伝えることができなくて、酔うとカッコつけて、ほかの女にもてようとする。一方の女性はそんなダメな男のすべてを見抜いていて、「どうせ私のことが好きなんでしょ」と、一段高いところから見下ろしている感じですかね(笑)。

--鋭い(笑)。

モナオ:普通のデュエット曲は、歌詞の中の男女の関係性に合わせて、男女の歌うパートをわけているんですけど、これは物語の展開で分けているので、男の気持ちをぼくが歌って、女の気持ちをマシューが歌っているわけではないんです。そこが面白いかなと思います。

マシュー:歌詞の中にメールや絵文字という言葉があって、ちゃんと今の時代設定になっています。若い人にもなじみやすいのではないかと思いますね。

モナオ:昔は「別れても好きな人」や「三年目の浮気」にしても、ヒット曲として、大人だけではなく子どもも口ずさんでいたじゃないですか。そういう曲になればいいなって思います。

--子どもの頃、意味も分からずに「時には娼婦のように」を歌っていましたよね。

モナオ:そうですよね。今は世代によって、聴いている音楽が違ってしまっていて、全世代が共有できる曲が少なくなっています。「たぶん新宿」は、とても分かりやすいメロディで、口ずさみやすい曲なので、一度聴いてもらえたら、すぐにカラオケで歌えてしまうんじゃないかって思うんです。

--行く行くは小学生にも歌ってもらいたいくらいになりたいと?

モナオ:最近、お年をめしたファンの人からこんな話を聞いたんです。自分の孫をぼくのコンサートに連れてきたら、そのお孫さんがモナオという名前が気に入ったらしくて、ぼくが書いてあげたサインを勉強机に飾って、毎日「モナオ!モナオ!」って呼び捨てにしていると言うんです(笑)。別にそういうことを狙って、モナオと改名したわけではないんですが、名前から親近感を抱いてくれるのであれば、この改名はラッキーだったかなと思うんです。

--面白いですね。

モナオ:なので、子どもに対して媚びる歌謡曲ではなく、大人の歌謡曲のまま、子どもに親しみをもってもらえたら、本当の意味での昭和歌謡なのかなって思いますね。

マシュー:わたしのマシューは本名なんですけど、よく子どもから「テレビのマシュー南と同じなんだね」って言われました(笑)。前に藤井隆さんの番組「Matthew's Best Hit TV」の中で、マシュー南というキャラクターに扮していたときがあったじゃないですか。モナオとマシューというユニット名は子どもに覚えてもらいやすいのかもしれないですね。

--「たぶん新宿」は新宿のご当地ソングでもありますね。

モナオ:せっかくタイトルに新宿という名前が付いているのですから、新宿からヒットを拡大させていきたいです。新宿には多くのご当地ソングがありますし、昔は「新宿そだち」というデュエット曲がありました。それを超えるくらいのヒットを目指していきたいと思っていますし、最終的には新宿といえば「たぶん新宿」といわれるくらいのスタンダードになりたいです。目標は高く持ちたいと思っています。

--お二人の振付も印象的です。

モナオ:お笑い芸人でダンサーのケビンさんという方にお願いして振付していただいたんです。メロディ同様キャッチーな振付になっていてすごく気に入っています。

--簡単そうで複雑にも見えますが。

マシュー:初めての経験でしたので、最初のうちは大変でした。歌と踊りの両方をやらなければならないから、頭の中が混乱して歌詞が出てこなくなってしまったり……(笑)。徐々に慣れてきて、いまは大丈夫です!

--ポイントはありますか。

モナオ:サビの「こんなに俺のこと~」の部分の右手の動き。くるくる回すところと、最後の「木曜日」と歌い終えたあとの右手のフリを一緒にやってくれたらこの曲が締まると思います(笑)。正統派でありつつコミカルな要素も入っているので、ぜひ、みなさんにも踊りながら歌っていただきたいです。ケビンさんには最初、「ピンク・レディではなくビューティー・ペアぐらいの振付をお願いします」と言って作ってもらったんです(笑)。なので、それほど難しくはないと思うので、カラオケの画面を見ながらでも手を動かしていていただければと思います。

--そして、ミュージック・ビデオには小松政夫さんが出演されていますね。

モナオ:小松政夫さんはずっと憧れの人だったので、「たぶん新宿」のミュージック・ビデオに出演いただいて本当に光栄でした。子どもの頃、小松さんが出ていた「笑って笑って60分」という番組が大好きで、毎週テレビの前で大笑いしていました。翌日、学校で小松さんのギャグを真似したりして(笑)。

--その時代だと、あとは「見ごろ!食べごろ!笑いごろ!」とかですよね。「ゆうひが丘の総理大臣」の教頭役とか。

モナオ:「しらけ鳥音頭」とか「デンセンマン」とか、当時の子どもは全員やっていたといってもいいくらいですよね。そんな方がまさかぼくらのミュージック・ビデオに出てくださるなんて。しかもすごく渋い演技をしていただいて、とても良い作品に仕上がりました。撮影のあと、小松さんに「あんたはエライ!」と書いてもらった色紙をいただきまして、早速家宝にさせていただいています。

--小松さんは初のミュージック・ビデオ出演ということで、ニュースにもなりました。

モナオ:おかげさまでニュースでも大きく出まして、Yahoo!でも取り上げていただきました。ここにきて初めて経験することが多くて、自分でも本当に驚いています。

--ヒットの予兆がありますね。「たぶん新宿」を歌ううえで心がけていることはありますか。

マシュー:この曲はすごく悲しいわけでもなく、ハッピーな曲でもないので、感情の出し方が難しいんです。歌詞に出てくる女性は自分とは違った性格にも思いますし。少しだけ大人の女性になった気持ちで歌っていますね。

--一般の人が歌う際のアドバイスはありますか。

モナオ:最後のところ、「そうさ新宿ひとりきり」から「木曜日」まで、言葉が続いていくんですね。そこをうまく歌うためには「そうさ新宿ひとりきり」が終ったら大きく息を吸って、続く「帰りたくても」からは息継ぎなしで最後まで歌っていただきたいと思います。

マシュー:私たちもそれを心がけて歌っていますので。息継ぎがうまくできないと呼吸困難になってしまいます(笑)。

--ここが「たぶん新宿」の見せ場ですね。

モナオ:そこに気を遣って歌っていただければと思います。「たぶん新宿」は歌謡曲のキラキラ感がある曲なので、聴いてもらうというよりは一緒に口ずさんでもらいたい。メロディを崩さずCD通りに歌ってもらいたいですね。

--そして、カップリングの「別れてもなお」も気になります。

モナオ:「愛してもなお」の作者のひらくらかつみさんは、ぼくに「もなお」三部作というのを作ってくださっていて、その第二弾がこの「別れてもなお」になります。最初「たぶん新宿」は1曲収録のシングルだったのですが、もう1曲入れようと言うことになり、急遽「別れてもなお」が選ばれました。去年、モナオ1周年ライブで初めて披露したときに評判がよかったんです。そのときはスローテンポのバラードでしたが、レコーディングするにあたり、サビが生きるのはバラードよりもアップテンポなんじゃないかと思い、しかも最初にひらくらさんからデモをもらったとき「フォルクローレのアレンジが似合う」って思ったことを思い出して、アレンジャーの松浦有希さんに「フォルクローレにしてもらえませんか?」とお願いしたんです。そうしたら、ぼくのイメージどおりの素晴らしいアレンジにしていただいたんです。

--確かに素晴らしいアレンジです。ライブで歌っていたときとは印象が違いますね。

モナオ:今のところ三部作の予定なのですが、好評のようであれば、死ぬまで「もなお」シリーズは続けたいなって思っているんです。そのためには「たぶん新宿」をヒットさせなければならないんです。

--今後、モナオとマシューのステージ構成はどのように行う予定でしょうか。

モナオ:二人でショーを行うときは、「たぶん新宿」をメインに置きつつ、お互いのソロ曲や二人で歌う昭和の名曲カバーなどを入れて構成していこうと思っています。二人で歌うレパートリーを増やしていこうというアイデアもあります。

--お二人は歌手のほかに職業をもたれていて、モナオさんはテニスコーチでマシューさんはバスガイド。両立が大変そうですが。

マシュー:「たぶん新宿」がリリースされてからはキャンペーンなど、歌手活動のほうが忙しくなりますので、状況を見ながらですけど、バスガイドの仕事は減らしていくかもしれません。一度受けた仕事をキャンセルすることはお客様にとても失礼ですから。いまは「たぶん新宿」に賭けようと思っています。幸い、多くのお客様からも支援いただいておりますので、その期待に応えられるよう頑張ります。

モナオ:二人で「たぶん新宿」をヒットさせて、ぼくらの歌手が本業になり、元バスガイドと元テニスコーチと言う肩書になるように頑張りたいと思います。応援よろしくお願いします。

モナオ(唐沢亮)

歌手&テニスコーチ

神奈川県出身。メディア誌の編集者時代、歌手を志し、NHKのど自慢に出場し合格するもチャンピオンを逃す。歌手をあきらめテニスコーチになるが、夢を捨てきれず、テニスコーチをしながら、歌のレッスンを重ね、歌手デビュー。ソロ歌手としての最新シングル「愛してもなお」(メロディーレコーズ)は、2014年USEN演歌歌謡曲年間ランキング5位という実力派。

オフィシャルブログ:
http://ameblo.jp/karasawaryo/

マシュー(木村摩周)

歌手&フリーバスガイド

埼玉県出身。高校卒業後、観光バスのガイドとして全国を巡る傍ら、歌手を目指し歌のレッスンを続ける。2011年、何度も訪れた東北の大震災復興支援の一助にとCD「ありがとう/アルバムの唄」をリリース、各メディアに取り上げられ話題に。現在もフリーランスのバスガイドとして活躍中。

オフィシャルブログ:
http://ameblo.jp/mashu819/

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