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『午前0時の歌謡祭』EXTRA INTERVIEW 第一弾 荻野目洋子

歌謡曲リミテッド スペシャルインタビュー

『午前0時の歌謡祭』EXTRA INTERVIEW
第一弾 荻野目洋子

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取材・構成/濱口英樹 公開日:2016.03.03

--ではここで荻野目さんにゆかりのある歌謡曲を5曲紹介しましょう。まずは石川さゆりさんの「津軽海峡・冬景色」(77年)から。

荻野目:私が初めて買ったシングルレコードですね。うちの父が地元で民謡を習っていた影響で、私も子供用の民謡教室に通っていて、こぶしを回しながら演歌も歌っていたんです。「津軽海峡・冬景色」はメロディも好きなんですけど、歌詞に泣けて。まだ小学生だったのに涙をこぼしながら歌っていました(笑)。

--2曲目は山口百恵さんの「プレイバックPart2」(78年)。

荻野目:実は小学生のときに、ちびっこのオーディション番組(テレビ東京系『ちびっこ歌まねベストテン』)に何度か出たことがありまして、そこで合格したときに歌った曲なんです。あとはアン・ルイスさんの「女はそれを我慢できない」とかも歌っていましたね。

--同じ頃、その番組に出ていた2人と一緒に小学生ユニットのミルクを結成したわけですよね。では3曲目にいきましょうか。H2Oの「想い出がいっぱい」(83年)です。

荻野目:デビュー当時、オリジナル曲がまだシングルしかなかったときに、握手会とかのイベントでよく歌っていました。初期の頃に応援してくださった方なら聴いたことがあるかもしれません。

--荻野目さんが声優を務めていたアニメ『みゆき』(フジテレビ系)のテーマ曲でしたね。そして4曲目は井上陽水さんの「少年時代」(90年)です。

荻野目:もしかしたら私が歌っていたかもしれない、いわくつきの作品です。私のシングル「ギャラリー」という曲を井上陽水さんからいただいたときに「カップリング曲もぜひ」という話になって、スタジオで陽水さんと、当時のディレクターだった川原伸司さんがピアノをポロポロと弾きながら、詞も書き始めたんですよ。「うわぁ、すごい!ジョンとポールみたいだな」という雰囲気の中、サラッとできた曲なんですが、最終的には陽水さんご自身が歌うことになったんですよね。

--お名前が出た川原伸司さんは、〈平井夏美〉というペンネームでいろんな曲を書かれていますけど、「少年時代」は陽水さんとの共作なんですよね。

荻野目:でも、そのあとすぐに別のカップリング曲を作ってくださって。「ON BED」という作品なんですが、オシャレな曲ですごく気に入っています。

--そして5曲目は青江三奈さんの「伊勢佐木町ブルース」(68年)。ため息のイントロが何とも言えません(笑)。

荻野目:昭和!って感じですよね(笑)。私は子供たちとカラオケに行くと、持ち歌よりも演歌や歌謡曲を選ぶことが多いんですけど、「伊勢佐木町ブルース」を歌ってみたら、やっぱり名曲で。「ライブで歌ったら面白いんじゃないかな」と思って、30周年記念のライブで歌わせてもらったんです。

--こういう歌謡曲は最近ないですね。

荻野目:ないですね。どうしてなんでしょう。お色気もあって、日本的な感じで、今聴いてもカッコいいですよね。歌謡曲は私も大好きなので、今後もライブで意外な曲を歌ってみようと思っています。

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--楽しみにしています! では2014年にリリースされたアルバム『ディア・ポップシンガー』の話に移らせていただきます。本格的な再始動ということで、久々にフルアルバムを制作し、久々の単独ライブも実施されたわけですが、その経緯やそこで感じた手応えをお聞かせいただけますか。

荻野目:実はそれ以前、25周年(09年)のときに(所属レコード会社の)ビクターさんが「またCDを出しませんか」と言ってくださったことが大きなきっかけになっているんです。それまで私は子育てに専念していて、しばらく歌っていなかったんですけど、マイクの前に立ったときに「また歌わせてもらえる機会に恵まれた」という感謝の気持ちが溢れてきて。と同時に、結婚してからはお仕事よりもプライベートの方を優先させてもらっていたので、ファンの皆さんに対して申し訳ないなという気持ちもあったんですね。でもやる以上はしっかりと歌手としての姿をお見せしたいし、そうすれば少しはそういう感謝の気持ちをお返しすることができるかなと思って、その頃からトレーニングを本格的に始めたわけです。そうやって1つ1つ石を積み上げるように、30周年に向かっていったという感じでしたね。

--子育てをしながら、その積み上げる努力を重ねてきたことが素晴らしいと思いますね。最初にお目にかかった時に「人前に出て歌うにはきちんと鍛えないといけない」とおっしゃっていたことを有言実行されたことが、2014年のライブで実証されたように思います。

荻野目:いえいえ。ステージに立つ人間としては普通のことだと思うんですけど、歌手として再始動してから気づいたことはいっぱいありますね。うちの主人はアスリートなんですが(ご主人は元プロテニス選手の辻野隆三氏)、最初は全然別世界の人と結婚したと思っていたんです。でも自分が仕事モードになっていくにつれて、「実は私もすごい体育会系なんじゃないか」と思うようになって。運動することも楽しいし、声を出すための身体を作り上げていく過程も本当にアスリートみたいなんですよね。腹式トレーニングの先生にはデビュー当時からお世話になっているんですが、その先生が背中にバンバン乗ってくるし(笑)。

--まさに体育会のしごきですね(笑)。

荻野目:でもそれは別にいじめとかじゃなくて、本当に鍛えるとなるとそれくらいは必要なんです。口先だけじゃなくて身体を使って声を出すというのは、頭で考えてできることじゃないというのも改めて感じましたし。

--そういう意味ではベストな伴侶をお選びになられたのではないでしょうか。同じアスリート同士という。

荻野目:そうなんですよ。一時期、主人が体調を維持するためにアメリカで買ってきたエクササイズのビデオを観ながら、2人で一緒にエクササイズをしていたこともあります(笑)。

--プライベートでは数キロくらいだったら、クルマに乗らず平気で歩く、ということもおっしゃっていましたね。

荻野目:歩くのも好きだし、自転車も好きだし、私は現代のクルマ社会よりも、江戸時代の方が合ってるんじゃないかと思うくらい、身体を動かすことが好きなんですよね。もちろんテニスも大好きです。

--だからこそあの素晴らしいパフォーマンスがあるわけですね。ところで最近のブログを拝見すると、ギターで曲づくりを始めたりしているようですし、2014年のアルバム『ディア・ポップシンガー』では「キミとタイムマシン」という新曲の作詞や、洋楽カバーの日本語詞をすべて自分で手がけられていました。当時の取材で「作詞は結構向いているかも」とおっしゃっていたのがすごく印象的だったんですが。

荻野目:作曲はまだ始めたばかりですけど、作詞や作曲にも関わっていくことで、また歌うことに向かっていける気がするんですよね。若いときはどちらかと言うとボーカリストとしての気持ちが強すぎて「もっと声を出せるようになりたい」とか「もっと高い声を出せるようになりたい」と思うことが多くて。でも最近はそうじゃなくて、バックの楽器の音や素晴らしいメロディラインを含めて、ちゃんと伝えられるのが本当のボーカリストじゃないかなと考えているんです。そのためには音楽以外のことも幅広く、いろんなものを吸収して、素晴らしい映画を観たりとか、美しい景色を観ることで、感性を磨いていきたいと思いますね。

--絵を描くのもお好きですよね? 絵画を見てインスパイアされることもあるのではないですか?

荻野目:ありますね。アートからもすごく刺激を受けます。私が今住んでいる家の中では、小さい自分用のスペースがあって、いつもそこにこもってギターの練習とかをしているんですけど、そういういろんなシーンって言うのかな。スタジオに行くこともそうだし、いろんなところに行っていろんなことを感じて、今年はちょっとアグレッシブにいろんなものを形にできたらいいなと思っています。

--そうする中で「次のライブをどうしようか」という構想が広がったりもしそうですね。

荻野目:実は『ディア・ポップシンガー』のライブの時は初めてオープニングからエンディングまで、選曲も含めてすべて自分自身でステージングを考えたんです。

--まさにセルフ・プロデュースですね。生みの苦しみはありましたか?

荻野目:苦しくはなかったです。寧ろ楽しかったし、逆に「皆さんの反応がどうなんだろう」と思っていたら、観てくださったお客様も、スタッフの方も、割と受けがよかったので、すごく手応えを感じました。会場の大きさにはこだわらず、これからもライブ活動は続けていきたいですね。

--そういえば昨年の年末(12月29日)には舞浜で開催された「RISING FES 2015~2016」にも出演されました。当日は荻野目さんのファンも多数詰めかけ声援を送っていたようですが、若い後輩たちと同じステージに立つのは刺激になったのではないですか?

荻野目:同じ事務所にいながら、会う機会がない後輩たちもいましたから、当日はいろんな人とコミュニケーションできて楽しかったですよ。彼らのファンに混じって「オギノメちゃん!」という声援をいただけたのも嬉しかったし、最後は「ダンシング・ヒーロー」をみんなで歌って盛り上がりました。フェスのようなイベントにもできれば継続的に参加していきたいですね。

--ファンサイトの掲示板とかを見ると、テーマを決めて、例えばB面だけ歌うライブとか。そういう企画も面白いんじゃないかとか、いろんな要望が寄せられています。

荻野目:今はSNSで発信できる時代ですからね。私はツイッターやFacebookをやっていないので、ブログだけで皆さんとコミュニケーションしているんですけど、「こういうのもいいんじゃないか」というようなリクエストも聞けるし、私が「こういうことをやっていきたいな」と言うこともできるから、ファンの皆さんとは以前よりも近い感じで気持ちが繋がっている気がします。

--今後の活動がますます楽しみになってきました。ぜひまた遊びに来てください!

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荻野目洋子

1968年千葉県出身。4人きょうだいの末っ子として育ち、79年、小学生ユニット“ミルク”の一員としてデビュー。その後、学業に専念するが、アニメ『みゆき』の声優を経て、84年4月「未来航海-Sailing-」でソロデビュー。85年「ダンシング・ヒーロー(Eat You Up)」で初のトップ10入りを果たし、以後「六本木純情派」「コーヒー・ルンバ」などヒットを連発。アルバム『NON-STOPPER』が87年のオリコン年間1位を獲得する一方、ドラマや映画、CMにも多数出演。01年に結婚し、三姉妹の母親として育児を優先していたが、30周年記念アルバム『ディア・ポップシンガー』のリリースを機に音楽活動を本格的に再開した。

オフィシャルサイト:
http://www.oginome.com/

 

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