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半田健人 どこまでもハンサムな歌謡曲界のプリンス、最新型の歌謡曲でメジャー・デビュー

歌謡曲リミテッド スペシャルインタビュー

半田健人
どこまでもハンサムな歌謡曲界のプリンス、
最新型の歌謡曲でメジャー・デビュー

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取材・文/鈴木啓之 公開日:2016.12.07

豊富な知識と抜群のセンスを持ち、同世代で歌謡曲のことを語らせたら右に出るものがいない半田健人が新曲「十年ロマンス/美しいままで」をリリースした。意外なことに今回が歌手としてのメジャー・デビューになるという。作詞・作曲・編曲、全てを手がけた作品は、昭和歌謡の煌めくエッセンスが散りばめられた最新型の歌謡曲として、一度聴いたら忘れられないキャッチーなメロディが躍る。歌謡曲マニアにして鉄道マニア、突き詰めないと気が済まない氏のモチベーションが高いレベルで融合して誕生した傑作である。アーカイヴァーでありつつも、現代の表現者であり、しかもとびきりのナイスガイ。歌謡曲を愛しすぎた男が語る、深めの歌謡曲愛をとくと聴け!

半田健人
『十年ロマンス』

10月26日発売
VICL-37219 ¥1,204+税

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<収録曲>
01.十年ロマンス
02.美しいままで
03.十年ロマンス(Instrumental)
04.美しいままで(Instrumental)

--レコードでいえばどちらがA面でもおかしくない2曲ですよね。ドラマの主題歌とエンディングテーマの様な印象を受けました。

半田:タイプが違いますからね。ドラマ主題歌というのは意識はしてなかったんですけど、なにかなり得るというか、あまり朴訥としたものを作る気はなかったので、サビらしいサビとテンションが上がるイントロというんですかね。そういう歌が最近少なくて、どこまでがAメロでどこからがサビでみたいな。僕がリアルタイムで聴いてきた90年代のポップスは、子供心にいい歌だなって思えるものがたくさんあった時代でしたから。今回もその辺は頭にありましたね。あの時代はドラマも全盛期でしたよね。

--このタイトルはやはりタイガースを意識されてのものでしょうか。

半田:実は同名異曲になってしまうことは僕も気にしていて、「十年のロマンス」にしようと思っていたんですけど、みんなで会議して、やはりこの方が美しいだろうということで。元々の曲はさすが阿久(悠)先生だけあって、やっぱり字にしても綺麗なんですよ。最初に歌を作った時の仮タイトルがそのままついたという感じですね。

--曲作りの際はどういった過程で取り組まれるんでしょうか。

半田:僕はあらゆるケースでそうなんですけど、だいたい同時進行で作るんです。強いて言えば、曲先がないくらいで。同時か詞が先というのがほとんどですね。で、タイトルが一番あとなんです。作家の先生方にはまずタイトルを先に考えるという方はたくさんいらっしゃいますし、タイトルからイメージを膨らましてゆく手法っていうのはものすごくいいんだろうと思いながら。僕は詞を「書くぞ!」と思って書かないタイプなので、職業作家ではないですからね。ふと書き始めたら出来上がったみたいな感じだと、必然的にタイトルは最後になるんですよ。これも10年前でロマンスカー、十年ロマンスだなと。そうしたらそれがスタッフにも妙に浸透してしまいまして。

--少なくとも阿久さんの「十年ロマンス」はロマンスカーの歌ではないですからね。

半田:そうなんです。曲調も違うので。どちらかというとカップリングの方が沢田(研二)さんっぽいでしょう。“いつまでもいつまでも”という詞は「色つきの女でいてくれよ」を彷彿させるみたいな(笑)。

--職業作家は人に歌わせるわけですけど、半田さんの場合は全ておひとりで作られますよね。作詞・作曲だけでなくアレンジさえも。そうすると歌手・半田健人というのを考えながら曲を作られるわけでしょうか。

半田:それは今回ものすごく意識しました。インディーズでは日常的に自分が聴いている好きな音楽を初めて具現化出来るという楽しみがあって、究極の趣味の集大成みたいな感じで贅沢やらせていただきました。今回も音楽的な制約はなかったんですけど、やはりメジャー・デビューということで、ある程度の客観性は必要だと思ったんですね。まず意識したのはいい曲を作ろうということよりも、30歳を過ぎて半田健人がビクターからメジャー・デビューをするにあたって、「あなたはどう見られたいんですか?」と自分に問いかけをしました。出す曲によっては僕のタレント・イメージにものすごく影響してくるでしょうから、好きな旋律と好きなアレンジだけをやっていればいいというわけではなく、一芸能人としての自分の見られ方を考えましたね。結果この曲を採用したことで、これを歌っている自分を受け入れられるだろうかということを想いながら。曲によっては今の僕が歌っても似合わないとか、もしくは女性が歌った方がいいのかなということになりますからね。

--そういう意味では、今後は他の歌手への楽曲提供なども考えられるということですね。

半田:もしもチャンスをいただけるんでしたらやっていきたいです。かといって僕は器用なタイプではないので、往年の歌謡曲っぽいものしか書けませんけどね、たぶん。何をやってもどこか古いよねっていう。今回の曲も自分の中では新しいだろうというつもりで作ったんですけど、声の感じのせいか、なんか野口五郎離れをしてないってうかね(笑)。だからそれは顔でしょって言うんですよ。いやいや音楽聴いて、たしかに同じ私鉄かもしれないけど、五郎さんこんな曲やってないからって(笑)。なぜそういう印象を皆さんが受けるかというと、今はメロディのはっきりしたものを懐かしい音楽と捉える傾向があるからだと思います。90年代でさえもう20年前になりますからね。音楽らしい音楽をやっていたのはその頃までだったんじゃないかと思っていて。偏見かもしれませんが。全部を聴かずに判断するのは失礼な話なんですが、自分がチャート離れをしてしまったということもありまして。高校時代までは友達とカラオケに行ったり、テレビもよく見てましたけど、社会人になるとどうしてもそういう時間があまり無くなってしまって。

--お仕事を始められるとまた見方も変わるわけでしょう。特にこの業界ですと。

半田:気がつけばその間にCDの売上げは落ちて、(音楽業界が)だんだんと冷え込んでゆく様を悲しいなと思いながらも、僕自身は新しい音楽を手に取らずに古いものばかりを延々と追い続けるというのがありまして。でもそれは決して回顧主義ではないんです。以前『せんちめんたる』というアルバムを作った時もそうだったんですが、自分が今まで学んできて得た引出しの中だけで作っているんですね。逆に言うとこれしかできませんというのはあるんですが。理屈抜きでいいものを選んでいったらその年代のものになっちゃったというだけのことなんです。

--それはとても解ります。僕らが好きな歌謡曲もただ懐かしがってるだけではなく、今の曲にもいいものがたくさんある。ただシステム自体はどうしても昔の形がしっくりくるという。

半田:ジャンルって聴き手が決めるものだと思ってますから。ラップやヒップホップでないことは確かなんですけどね(笑)。歌謡曲の定義が一時期かなり狭まって、演歌っぽいものを指す様な傾向があったと思うんですけど、僕はそれにすごく不満がありました。昭和歌謡をコンセプトにしたグループとか歌手ってみんなムード歌謡の方へ行くじゃないですか。それはちょっと浅はかじゃないかと思って。本当にムード歌謡をやりますっていうんならいいんですけど、イコール昭和歌謡にされちゃうと、じゃあピンク・レディーはムード歌謡なんですか、っていうことになっちゃう。(西城)秀樹さんやジュリーはどうなのよって。

--レコード大賞が一時期、歌謡曲・演歌部門とポップス部門に分けられたのは罪でしたよね。それでも今はそういう壁が無くなって、新しい歌謡曲が生まれている気がします。

半田:今は放送倫理が厳しいせいか、作り手側が低姿勢な歌が多いなとか思っていて。アーティストなんだからもっと押し付けちゃっていいと思うんですよ。昔の職業作家はそこに意味を問わないっていうか、アマチュアがプロに突っ込んでくるんじゃないよみたいな自信や気概がありましたよね。最近の歌は日常的な会話や風景に下りていくことで共感を得る様なところがありますけど、僕はそこに全く美学を感じられないんですよね。個人的な実体験を書くのは全然いいことだと思いますが、それが曲になるとレポートみたいになるじゃないですか。それは芸がないと思いますね。やり方としてはおそらくそれが原作となった私小説にすればいいことなんでしょうけれども。昭和歌謡っていうのは、私小説にするための変換のアイデアの宝庫ですよね。曲を聴いていい詞だなと思うとやっぱりこの人だったかというのがだいたい一致する。

(次ページへ続く)

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半田 健人(はんだ・けんと)

1984年6月4日、兵庫県芦屋市生まれ。ふたご座、O型。『ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト』のファイナリストに選ばれたことをきっかけに芸能界入り。『ごくせん』 第5話のゲスト出演でドラマデビュー。『仮面ライダー555』乾 巧(いぬい たくみ)/ 仮面ライダーファイズ役で初主演を飾る。『タモリ倶楽部』への出演を機に、高層ビル好きであることが知られるようになる。特技は高層ビルの目測高さ当て。鉄道(乗り鉄)、昭和歌謡といったジャンルへの造詣も深い。他にも、ビザールギター集め、宅録、アンパンマンなど趣味多数。毛筆五段、硬筆初段の資格を持つ。

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公式ツイッター
https://twitter.com/handakento

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