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菊池ともか

歌謡曲リミテッド インタビュー

菊池ともか

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取材/鈴木啓之 取材・文/竹部吉晃 公開日:2017.5.11

10代からギタリストとして活動いた菊池もかがついにソロ・プジェクトをスタート。その第一弾アルバム『フォークロック・エクスプレス』は、全曲の作詞と作曲を手掛け、ギターを弾き、さらにはジャケット・デザインのアイデアも出すなど、マルチな才能とその可能性が随所に詰まった作品になった。すべてはアルフィーとの出会いから始まったという彼女ですが、音楽以外にも三島由紀夫や手塚治虫、宝塚など、芸術全般への興味と理解をもった、まさにこれからが楽しみな有望株の登場です。

--初のソロ・アルバムをリリースされた感想はいかがですか。

菊池:いままで私はギタリストとしてバンドに参加することが多く、自分で作詞作曲をしてボーカルをとるということが少なかったので、このように自分名義のフルアルバムが作れたことは光栄であると同時に今まで自分が関わったリリース作品とはまた違う雰囲気になったなと実感しています。以前から私を知っている方は、私をギタリストとして認知していると思うので、そういう方の反応も気になりますね。「ギタリストだから歌はイマイチ」とか思われないかな、という不安もあったり。でも、これを出したことによって、今まで私のことを知らなかった方にも私を知っていただけたのではないか、と思います。

--タイトルの『フォークロック・エクスプレス』はどういう意味なのですか。

菊池:ソロ・プロジェクトをどうするか、ということをプロデューサーのサミー前田さんとお話しするなかで、私は「原点回帰をしたい」と言ったんです。それまで、バンドのギタリストとして、いろいろなタイプの曲を弾いてきましたが、自分が自作自演を始めるにあたって考えた結果、いちばん好きだった音楽は、ギターを始めた10代の頃によく聴いていたガロとか、GSとかアルフィーであることを再確認したんです。いわゆる60~70年代のフォークやロックに由来する音楽ですよね。自分は女性なので、あの雰囲気や味は出せないんですが、自分なりにああいう音楽の世界を旅するように表現したら面白いんじゃないかっていうことをお話ししたんです。そこで『フォークロック・エクスプレス』という名前が生まれ、それが私のプロジェクト名になり、今回のアルバム名になったんです。

--60~70年代の音楽を聴き始めたのは、ご両親の影響ですか。

菊池:いえ、両親は私がギターを始めることにとても反対していたんです。だから親の影響ではなく、むしろ反対を押し切る形でこういった音楽の世界に惹かれていきました。本格的にギタリストになりたいと思ったのは15歳の時、どうしてもアルフィーのコンサートツアーに行きたくなり、チケットを申し込んだら、偶然最前列で見ることができたんです。平日だったので、学校帰りにコンサート会場に行って。それで強く”ギタリスト”を意識しました。

--それは衝撃が大きいですね。

菊池:その時すでに貯めていたお年玉でギターを買っていたんですが、家のベッドの上で弾くぐらいで、バンドを組もうという発想はありませんでした。でも、その日にアルフィーのコンサートを見て、ギタリストになりたいと決意し、そのためにはバンドを組んで外に出て行かなければならないなと思ったんです。

--その時感じたアルフィーの魅力とは?

菊池:ヘビーなロックな曲の中にも、アコギが入っていて、それがとてもキラキラした音で聴こえてきたり。あとは三声のコーラスですね。どんな曲調の中にも70年代から変わらないキレイなコーラスを聴くことができますし、3人がそれぞれメインボーカルをとれるところなど、ほかのバンドにはないユニークなところだと思っていました。

--菊池さんの周りにはアルフィー・ファンはいましたか。

菊池:当時、私の周りにはいなくて、そのコンサートの時、隣の席の女性の方が一人で見に来ている私を不思議に思ったのか、声をかけてくれたんです。いろいろ話をする中で、「先が長くなるから頑張ってね」って言われて(笑)。実際、あれからずっと音楽を続けていますし、その日の衝撃を発端に、自分がアーティストとしてデビューすることになったとも言えるので、その時の女性にもアルバム聴いていただけたら嬉しいです(笑)。

--いい話ですね。

菊池:先日は憧れの坂崎幸之助さんのラジオにゲスト出演することができました。私は昔から、アルフィーと共演することが夢だということを親や友達など、まわりのいろいろな人に言っていたんですが、そんなことを言っても皆、冗談だと思ってあまり相手にしてはくれなかったんです……。でも、幸運なことに本当に現実になって、自分もびっくりですが、まわりの人たちも驚いていました。

--ギターで最初に弾いた曲は覚えていますか。

菊池:ギターはアコギではなくエレキから入ったんです。ちょうどアルフィーを知り始めた頃に、友達のお父さんに連れられて友達と3人でエアロスミスのライブを見に行ったことがあって、そこでジョー・ペリーのギターを見て、ソロが弾きたくなって、それから見様見真似で教則本やライブビデオなんかを見ながら弾いてみたり。でもその頃はまだまだ本気ではなかったですね。

--自分がギターを弾けると実感したタイミングは覚えていますか。

菊池:CDと同じようにソロを弾けるようになったときは嬉しかったですし、ライブハウスに出るようになって、バンドの中でリズムギター、リードギターの役割を意識するようになると自分はソロを弾くギタリストなんだなってことを実感しました。今回のような弾き語りスタイルを本格的にやり始めたのは、最近のことで、つい2、3年前からなんです。なのでギターの弾き方自体も、以前とはだいぶ変わりました。

--ギタリストだった菊池さんが今回、なぜ歌に挑戦してみようと思ったんですか。

菊池:これまで私はギタリストだという意識が強くて歌うことをどちらかというと避けてきたんです。でも、たまにライブで歌を歌った時、気に入ってくれたお客さんがいたり、「音源があったらいいのに」と言ってくださった人もいて、そういう反応もあって自分でも歌ってみようと決意しました。プロデューサーのサミー前田さんも、後押ししてくれたので、それも励みになりました。今回は、自分で作詞作曲した曲でアルバムを構成するということが前提だったので、曲を作るからにはちゃんと歌おうと思いました。

--作曲はすぐに出来ましたか。

菊池:アルバムを意識して実際に作曲に取り掛かったのが2014年の年末くらいで、最初に出来た曲がアルバム1曲目の「朝待つ人に捧ぐ歌」でした。まずは三声でハモる曲が作りたいなと思いまして。でもこれは一人でハモっていますけど(笑)。

--谷山浩子さんに通じるものがありますね。

菊池:時々歌声が似ていると言ってくださる方もいます。「意味なしアリス」など、谷山さんのちょっとダークでメルヘンな楽曲は好きなので、影響を受けているかもしれません。ほかにガロも好きなので、そういう風味も出ているかもしれません。作曲や世界観の面ではガロのマークさんに影響を受けている気がします。男性なんですけどどこか中性的な雰囲気やメロディーにすごく惹かれて。一方で、私は昔から自分が女性であることにコンプレックスを抱いていて、本当はジミー・ペイジのようにギターを弾きたいけど、どう頑張ってもああいう感じにはならない。今回はそこを逆手に取って、女性の私でしか作れないものを作りたいと思いました。

--先日の昭和歌謡館でのライブではカバーもやられていましたが。

菊池:私より音楽に詳しい方はたくさんいますし、まだまだ知らない音楽がたくさんあるんですけど、私はアーティストのインタビューやCDのライナーノーツをよく読んでいて、そこに出てくるアーティストの名前に興味を持って、いろいろな音楽を聴くようになったんです。今はネットやレンタルで気軽に聴けてしまう時代ですが、レコードやCDのジャケットを眺めるのも好きなので、気に入ったものは手元に置きたいと思ってしまいます。

--歌詞についてはいかがですか。

菊池:ソロ・アーティストのソロ・アルバムは、自分の思いや概念や思想が色濃く反映された作品が多く、私自身、そういう音楽も好きなんですけど、私がアーティストとして考えた場合は、客観的に自分を見て、素の部分から少し離れたところで作詞をしています。歌っている自分を客観的に見て、どうやって歌わせたら面白いかなと、考えてしまいます。

(次ページへ続く)

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菊池ともか

1988年2月3日生まれ。AB型。東京都出身。
10代半ばからギターに夢中で様々なバンドにギタリストとして参加。現在はソロプロジェクト"Folk Rock Express"進行中。愛用ギターは銀ラメのグレッチ・シルバージェット。アコギはマーチンの000-15M。

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