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菊池ともか

歌謡曲リミテッド インタビュー

菊池ともか

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取材/鈴木啓之 取材・文/竹部吉晃 公開日:2017.5.11

--話は変わりますが、子どもの頃はどういう少女だったのでしょうか。

菊池:私は一人っ子だったので、自分の世界にこもりがちな子どもでした。時間があれば読書は沢山していました。岩波少年文庫は沢山持っていましたよ。漫画ですと好きなのは「ベルサイユのばら」や「リボンの騎士」。今思ったんですが、両方ともヒロインが中性的ですよね(笑)。私の歌詞の一人称に僕が多いのはそういうことなのかもしれません(笑)。

--宝塚に憧れたことは?

菊池:見に行ったことがあります! 2、3回一人で行きました。私はとてもマイペースで誰にも縛られたくないので、どこにでも一人で行ってしまうんです(笑)。

--一人の時間は大切です。音楽の前に小説などの執筆に目覚めることはなかったんですか。

菊池:大学時代は文芸・思想専修でしたので、小説を書いたこともありました。特に三島由紀夫が好きでした。難解だと思われがちですが、エンターテインメント的な作品やSF作品も多いですし、今度「美しい星」が映画化されるということなので、とても楽しみです。

--初めて買ったCDは覚えていますか。

菊池:実はあまり覚えていないのですが、おぼろげに手元にあったのを覚えているのは大滝詠一さんの「幸せな結末」という短冊シングルです。小学生くらいの頃、ドラマの主題歌として流れていたのも印象的でした。でも当時の私は音楽に疎くて、全盛だったモーニング娘。も友達に教えてもらってやっと知るくらいでした。クラスの話題に入っていけなくなりそうだったので、これはまずいと思って中学生のときに見たテレビの音楽番組の中にアルフィーが出ていて、そこで興味をもったんです。

--そこでまたアルフィーが出てくるんですね(笑)。アルバムの話に戻りますが、特に気に入っている曲はありますか。

菊池:「春風はDADGAD」と「おやすみなさい」ですね。

--DADGADは変則チューニングとのことですが。

菊池:前から変則チューニングの曲を作ってみたかったんです。でもマニアックになってしまうかなと思って、あえてポップな曲調にしたんです。クロスビー、スティルス&ナッシュみたいな感じにはなれなかったかもしれないですけど(笑)。

--全体的にギターはクリアな音が多いですが。

菊池:ファズは好きで、バンド時代には相当歪ませていた時期もあったんですが、今回はメロディー重視の曲が多かったので、歪みは抑えめにしているんです。もし、次のアルバムが出せる時が来たら、その時はまた違ったギターを弾きたいと思います。ギター1本でどういう世界を作れるかな、といつも考えているんです。

菊池ともか
『フォークロック・エクスプレス』

発売中
Apricot Sounds
ACDS7 2,315円(税抜き)

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<収録曲>
1. 朝待つ人に捧ぐ歌
2. S.G.トラベル
3. 恋わずらい
4. 彼はパガニーニ
5. 未だ知らず
6. ネクタル・ブルース
7. わたしのペガサス
8. 春風はDADGAD
9. ジュディによろしく
10. おやすみなさい

--アーティスト写真に映るギターは昔から使っているものですか。

菊池:グレッチのシルバージェットは10年ぐらい弾いています。元々は高校生の頃、このギターの見た目が華やかなところが気に入って、グレッチの廉価ブランドのエレクトロマチックのシルバージェットを弾いていたんですが、10年前にどうしても本物のシルバージェットが欲しくなって、ちょっと無理して購入したんです。ほかのギターを弾くこともありますが、やはりグレッチのシルバージェットがいちばん気に入っています。

--「おやすみなさい」はプログレ風ですね。

菊池:フォーク調ではあるんですけど、プログレの要素を入れつつ、歌詞は歌謡曲っぽい感じも意識しました。実はこの曲は「死」をテーマにした曲なんです。アルバムの全体のコンセプトに「生から死」というのがあって、1曲目の「朝待つ人に捧ぐ歌」が夜明けであり生なら10曲目の「おやすみなさい」は日没であり死を意味しているんです。

--そういう意味では、アナログのフォーマットが似合う作品なんですかね。ジャケットもLPで見てみたいです。ジャケットの衣装は?

菊池:オーダーで作っていただいたんです。GSのオックスや、ステンドグラスをイメージして作っていただきました。ガロの「姫鏡台」というEPがあるんですけど、そのジャケットは丸い鏡のような枠台の中にGAROというロゴがある暗いデザインで、私はそれが大好きなのでそういうイメージで、というリクエストをしました。そうしたら、鏡台っぽくデザインしてくださって、鏡に映ったもう一人の自分という感じのデザインに仕上がったんです。ステンドグラス、というイメージも沢山のきらめく欠片が集まって一枚の大きな作品になる、というアルバムコンセプトに通じています。

--いろいろ練られたジャケットなんですね。

菊池:自分の素をあまり出さない、非日常的なものを心がけました。妥協したくない性格といいますか、一人っ子だからわがままなのでしょうか(笑)。今回は隅から隅まで自分の思い通りにしたいと思って作りました。バンドの場合、責任感が等分されるので、メンバーの数だけ色んなエッセンスが入り混じりますが、ソロの場合100パーセント自分の責任になるので、そういう意味でも今までとは違う取り組み方をしました。音楽のほうも、自分のイメージをサポートしてくれたメンバーに伝えて膨らませて演奏していただけたおかげで、思い通りのサウンドを作ることができました。

--今後の目標を教えてください。

菊池:曲を書いていますので、次回作に向けて頑張りたいというのと、やはりライブをたくさんやっていきたいので、多くの人が見に来てくれるようなライブをやりたいです。自分はそんなにガツガツ前に行けないタイプなので、ある意味プロ意識があまりないのかなと思うことがあるんです。でもそれを自分の良い面だと思うことにして、今すぐに売れたいと言うよりは、30年後か40年後にどこかのレコード屋さんで誰かが発見して、調べてもらえるような存在になりたいです。自分がそうやって音楽を聴いてきたので。

--それはもったいないですよ。

菊池:ロマンですけどね。ほかには私、美術館に行くことが大好きで、そこにある音声ガイドが大好きなんです。そこでしか聴くことができない音楽があって、インストであったり歌ものがあったりするんです。有名な方が手掛けることも多いんですが、いつかその音楽を自分がやってみたいという夢がありますね。

--それは合いそうですね。このサイトは歌謡曲リミテッドというので、最後にお聞きしたいのですが、昭和の歌謡曲についてはどういう印象がありますか。

菊池:日本独特の世界観がありますよね。恋愛ひとつとってもみずっぽくて、そこに惹かれることはありますが、私は昭和歌謡というよりもグループ・サウンズが好きだったかな。あと、昭和歌謡というのとはちょっと違うかもしれませんが、「ステージ101」に惹かれます。70年代前半にNHKで放送されていたという音楽のテレビ番組なのですが、男女が皆で重厚にコーラスをするという感じや、番組の中で流れていたオリジナル曲の内容が良いですね。憧れます。なので、「ステージ101」から1曲、「恋人中心世界」をカバーしたりもしました。

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菊池ともか

1988年2月3日生まれ。AB型。東京都出身。
10代半ばからギターに夢中で様々なバンドにギタリストとして参加。現在はソロプロジェクト"Folk Rock Express"進行中。愛用ギターは銀ラメのグレッチ・シルバージェット。アコギはマーチンの000-15M。

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