トップページ ラジオ 歌謡ラジオ「午前0時の歌謡祭」 第47回放送「特集:ヒット曲の料理人/編曲家・船山基紀を迎えて 前篇」

第47回放送「特集:ヒット曲の料理人/編曲家・船山基紀を迎えて 前篇」

第47回放送「特集:ヒット曲の料理人/編曲家・船山基紀を迎えて 前篇」

<2019.10.20 OA>

オーガナイザー:濱口英樹(歌謡曲愛好家) 

10月は『ヒット曲の料理人 編曲家・船山基紀の時代』(リットーミュージック)を出版されたばかりの船山基紀さんをゲストにお迎えしました。オーガナイザー濱口は2016年にインタビューをさせていただいたことがありますが、お話を伺うのはそれ以来2回目。今回は船山さんの仕事場にお邪魔したのですが、終始和気藹々とした楽しい収録となりました。収録に先立ち、リクエスト曲を募ったところ、多くの方から船山さんへの質問やメッセージが寄せられました。それだけ船山さんのサウンドが多くの人から愛されている証しといえるでしょう。前篇は70年代の作品で構成しましたが、代表曲、リクエスト曲、少しマニアックな作品・・・とバラエティに富んだプレイリストとなりました。

「ヒット曲の料理人 編曲家・船山基紀の時代」

船山基紀・著/リットーミュージック

定価:本体2,000円+税

歴代編曲家シングル総売上2位(オリコン調べ)。数多くのヒット曲を手がけてきた編曲家・船山基紀のアレンジの手法と魅力をロング・インタビュー、関係者の証言などで、明らかにしていく。

01.「勝手にしやがれ」沢田研二(1977)
作詞:阿久 悠 作曲:大野克夫 編曲:船山基紀
「編曲家・船山基紀」の名を世に知らしめた初期の代表作です。当時デビュー4年目だった船山さんは「コバルトの季節の中で」(76年)からジュリーのプロジェクトに参加。オリコン1位を獲得した本作で日本レコード大賞の「大賞」と「編曲賞」を受賞しました。イントロが印象的な本作ですが、船山さんは作曲の大野が用意したイントロをベースに、フィリー・ソウル風の煌びやかなサウンドに仕上げています。

BGM.「にがい涙」山本リンダ(1975)
作詞:安井かずみ 作曲:筒美京平 編曲:船山基紀
ヤマハ出身の船山さんは当初、ポプコン(ポピュラーソングコンテスト)応募曲のアレンジを手がけていましたが、75年より職業作家による歌謡曲のアレンジも開始します。その最初の仕事が山本リンダの7thアルバム『Linda MEMORY TOP~ウブウブ~』でした。同アルバムに収録された本作はスリー・ディグリーズが日本限定でリリースしたディスコチューンのカバーです。

02.「アザミ嬢のララバイ」中島みゆき(1975)
作詞・作曲:中島みゆき 編曲:船山基紀
ポプコンが生んだ最大のスター・中島みゆきのデビュー曲。前年からアレンジャーとしての活動を開始した船山さんにとっても本格的なデビュー作とされています。ワルツのリズムが印象的な本作はオリコン最高38位のスマッシュヒットを記録。同じ年、世界歌謡祭グランプリを獲得した「時代」のアレンジも船山さんが手がけていますが、中島は当時北海道を拠点としていたため、スタジオで顔を合わせることはなかったそうです。

03.「恋は紅いバラ」殿さまキングス(1976)
作詞:千家和也 作曲:佐瀬寿一 編曲:船山基紀
音楽仲間の佐瀬寿一(この年、子門真人が歌った「およげ!たいやきくん」がメガヒット)からの依頼で本作のアレンジを手がけた船山さんは「マンボNo.5」に着想を得たイントロを創作。演歌の常識を打ち破るサウンドで殿キンのメンバーや制作スタッフの度肝を抜きます。45年に及ぶ編曲家生活の中で、初めて「してやったり!」の感触を得た思い出深い曲で、年末の紅白歌合戦で初めて歌唱された船山作品になりました。

BGM.「パールカラーにゆれて」山口百恵(1976)
作詞:千家和也 作曲:佐瀬寿一 編曲:船山基紀
編曲家デビュー3年目の76年、船山さんは歌謡曲でもヒットを連発。沢田研二「コバルトの季節の中で」で初のオリコンTOP10入り、その直後にリリースされた本作で初のオリコン1位を獲得します。船山さんは山口百恵を担当していたCBS・ソニー(現ソニー・ミュージックエンタテインメント)の酒井政利プロデューサーから「歌謡曲のサウンドはひねって、ひねって、インパクトのあるものにしないとヒットが生まれない」と教わったそうです。

04. 「嘆きのサブウェイ」山口百恵(1976)
作詞:きすぎえつこ 作曲・編曲:船山基紀
10thアルバム『パールカラーにゆれて』に収録された16ビートのディスコチューン。船山さんは同アルバムで12曲中8曲の編曲を手がけていますが、本作を含む3曲の作曲も担当しています。酒井政利プロデューサーから作曲の依頼を受けた船山さんは、売れっ子の山口百恵だけにプレッシャーを感じつつも、すんなり完成させることができたといいます。

05.「クラップ・ユア・ハンド(CRAP YOUR HANDS TOGETHER)」ファンキー・ビューロー(1977)
作詞・作曲:巣瀬哲生 編曲:船山基紀
筒美京平作曲の「セクシー・バス・ストップ」(76年/Dr.ドラゴン&オリエンタル・エクスプレス)など、数々の和製ディスコをヒットさせたハッスル・ホンダ(本多 慧)がプロデュースしたファンク・バンドの3rdシングル。ボーカルのジャマイカ人以外は日本人で構成されたバンドですが、サウンドは完全に洋楽のそれで、77年のフロアで大流行しました。

BGM.「飛んでイスタンブール」庄野真代(1978)
作詞:ちあき哲也 作曲:筒美京平 編曲:船山基紀
稀代のヒットメーカー・筒美京平と最も多くの仕事をした編曲家、それが船山さんですが、最初の仕事は太田裕美の4thアルバム『手作りの画集』(76年)でした。売れることを第一に考える筒美から歌謡曲のアレンジを徹底的に学んだ船山さんは本作でギリシャの民族楽器・ブズーキを使用。オリコン3位をマークする大ヒットに結び付け、エスニックブームの火付け役となります。

06.「洪水の前」郷ひろみ(1977)
作詞:岡田冨美子 作曲:筒美京平 編曲:船山基紀
あまたのヒット曲を放った「筒美・船山」コンビが初めてオリコンTOP10入りを記録した郷ひろみの22ndシングル(最高5位)。筒美から「サンバにしてほしい」と言われた船山さんは斉藤ノブ(現・斉藤ノヴ)のラテン・パーカッションを軸にした派手なアレンジで、その期待に応えました。強烈なインパクトを与えた本作の成功は81年のシングル「お嫁サンバ」(作曲は小杉保夫)へと発展します。

07.「女になって出直せよ」野口五郎(1979)
作詞:阿久 悠 作曲:筒美京平 編曲:船山基紀
ロサンゼルス録音のアルバム『ラスト・ジョーク GORO IN LOS ANGELS ’79』からの先行シングルでオリコン17位をマークした31thシングル。ラリー・カールトン(ギター)、デヴィッド・サンボーン(サックス)など、ジャズ・フュージョン界を代表する錚々たるミュージシャンが参加した16ビートのディスコナンバーです。

BGM.「迷い道」渡辺真知子(1977)
作詞・作曲:渡辺真知子 編曲:船山基紀
オリコン3位の大ヒットを記録した渡辺真知子のデビュー曲。彼女のポプコン出場曲「オルゴールの恋唄」(75年)のオーケストラ・アレンジも手がけていた船山さんは、デビュー以来、10作連続でシングルA面の編曲を担当し、ニューミュージックと歌謡曲の中間を行くようなサウンドを構築します。当時、驚異的な速さと言われたピアノのフレーズは名手・羽田健太郎が演奏。どんなスコアにも対応できる「ハネケン」は船山アレンジに欠かせない存在でした。

08.「しあわせ芝居」桜田淳子(1977)
作詞・作曲:中島みゆき 編曲:船山基紀
「迷い道」同様、ピアノの音色が印象的な桜田淳子の21stシングル。オリコン3位まで上昇し、桜田に「脱アイドル」をもたらす代表曲となりました。中島みゆきのデモテープはギター1本のシンプルなものでしたが、船山さんはタンゴのリズムを使用するなど、ポップな曲にアレンジ。全編を通してサウンドをリードするピアノは船山ワークスの常連・羽田健太郎が演奏しています。

09.「たとえば・・・たとえば」渡辺真知子(1979)
作詞:伊藤アキラ 作曲:渡辺真知子 編曲:船山基紀
オリコン13位をマークした4thシングル。ストリングスとピアノが競い合うような、スピード感あふれるイントロから細かい仕掛けに満ちたサウンドが続き、聴く者を飽きさせません。初期・真知子サウンドの確立に大きな役割を果たした船山さんは一時渡米する82年まで、アルバムでも多くのアレンジを手がけています。

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